経済的困難や個人の背景によって選択肢が制限されているを抱える高校生たちの未来を切り拓く、カタリバ奨学金プロジェクト。給付型奨学金と伴走支援を融合させたプログラムで、ファーストジェネレーション(家族の中で初めて大学に進学する世代)枠や外国ルーツの生徒枠といった、既存の制度ではこぼれ落ちる子どもたちに新たな可能性を届ける挑戦に参画いただける仲間を募集します。
この職種で働くスタッフ
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宮城 千恵子
新卒一期生として株式会社ジーユーで12店舗の経営や立ち上げに従事した後、自信をもって「自分を語る」ことができる社会にしたいとカタリバへ転職。大槌臨学舎での勤務を経て、外国ルーツの高校生支援事業の立ち上げに伴い異動、事業責任者に。現在、カタリバ奨学金プロジェクトオーナーを兼務する。
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渡邉 慎也
日本と韓国のハーフで、香港育ち。米国シカゴ大学、ニューヨークのコロンビア大学院・Teachers Collegeを経て、学校と連携した教育プログラムをつくるタクトピア株式会社へ入社。現在はカタリバの外国ルーツの高校生事業でオンラインキャリアセンターとプログラムの効果検証を担当する。
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中島 典子
新卒でMUFGに入行し、融資やM&Aなどに携わる。2018年に息子を出産。育休中はNPOや企業でボランティア活動に挑戦し、世界が広がる。復職後は引き続きM&Aを1年ほど担当した後に、ITベンチャーへの転職を経て、2021年1月にカタリバに入職。現在は「キッカケプログラム」事業責任者。
募集の背景
教育機会の格差と進学の壁
日本社会では、家庭の経済状況が子どもたちの教育機会や将来の選択肢に大きな影響を与えています。特に、高校生の進学段階において、この問題は顕著です。経済的困難や家庭環境の急変により、意欲があるにもかかわらず進学を断念せざるを得ない状況が多く存在します。
この問題の根底には、複雑に絡み合う要因があります。家庭の脆弱性が引き起こす優先順位の逆転、一時的なつまずきが招く長期的な機会喪失、公的支援制度と実需のタイミングのミスマッチ、在留資格による教育機会の制限、そして学費以外の「見えない」進学関連費用の重圧。これらの要因が複合的に作用し、既存の奨学金制度の枠外に置かれる高校生が数多く存在します。
伴走支援と給付型奨学金の融合という挑戦
カタリバは、この社会課題に正面から取り組むべく、新たな支援プログラムを立ち上げます。既存の制度ではこぼれ落ちてしまう高校生たちを対象に、伴走支援と給付型奨学金を融合させた「カタリバ奨学金」の創設を目指すトライアルプロジェクトを始動しました。
このプログラムでは、学費のみならず、受験費用など「見えない」支出もカバーする包括的サポートを実現します。過去ではなく「今」の努力と可能性に焦点を当てて、進学直前の「最後の一押し」となるタイムリーな支援を目指したいと考えています。
日本社会に根深く存在する教育格差の解消と、機会平等の実現への道を切り拓く。そんな大きな可能性を秘めたプロジェクトに、今、私たちは着手しており、そして、そこに参画してくれる新たな仲間を募集しています。この取り組みを通じて、困難を抱える子どもたちの実態をより深く理解し、貧困の連鎖を断ち切る効果的な支援モデルの構築を目指していきましょう!
仕事内容
プロジェクトマネージャーとして、奨学金制度の設計から伴走プログラムの開発・運営まで、幅広い業務を担当していただきます。特に重要なのは、単なる奨学金給付にとどまらない、社会を生き抜く力の養成に資する伴走プログラムの開発です。財務管理能力の向上や自己投資意識の醸成など、先進的な要素を取り入れていきたいと考えています。
具体的な業務内容の一例は下記のとおりです。すべての業務を必ず担当いただくわけではなく、経験やスキル、稼働可能な時間数などを踏まえて相談させていただきます。
(1)奨学金制度の設計と運営
― 応募要件と審査基準の策定、奨学生の選考プロセスの設計と実施
― 奨学金支給のオペレーション構築
― 奨学生の追跡調査の設計と実施
(2)伴走プログラムの開発と運営
― 目標設定、定期伴走、外部リソース連携等を含む全体設計
― 奨学生の進路実現のための各種伴走プログラムの開発・運営
― 協力企業の社員によるメンター伴走プログラムのコーディネート
(研修プログラムの企画・実施/計画シートや面談記録フォーマットのツール作成等)
― 伴走プログラムの効果検証と継続的な改善
(3)社内外ステークホルダーとの連携
― 奨学生を支援する他事業(アダチベース、キッカケプログラム、Roots)との連携
― 効果検証チームとの連携によるプログラムの評価・改善
― 外部専門家や協力企業との連携プログラムの企画・実施
(4)中長期的な事業企画・推進
― プロジェクト全体のスケジュール管理・予算管理
― トライアル期間(1~2期)の成果を踏まえた事業拡大戦略の立案
― 公募による奨学生募集の企画・実施(来年度以降)
― 支援効果の可視化と対外的な報告書作成
仕事のやりがい
社会変革の最前線で、教育格差解消に挑む
既存の制度ではこぼれ落ちてしまう高校生たちに焦点を当て、伴走支援と給付型奨学金を融合させた新しいアプローチを通じて、より本質的な課題解決を目指します。このプロジェクトの成功は、全国の教育政策や支援制度に影響を与え、より大きな社会的インパクトを生み出す可能性を秘めています。
先進的な伴走モデルの構築と多様なステークホルダーとの協働
伴走支援と給付型奨学金を組み合わせた包括的な支援モデルは、まだ確立されておらず、その開発は大きなチャレンジとなります。高校生たち、その家族、教育機関、企業、そして社会全体にとって価値のあるプログラムを持続的に運営していくために、多様なステークホルダーと直接協働する経験は、自身の視野を広げ、リーダーシップスキルを育む経験を積むことができます。
若者たちの人生を変える瞬間に立ち会う
このプロジェクトを通じて、経済的困難や家庭環境の急変により進学を諦めかけていた高校生たちが、再び希望を見出し、自らの可能性に向かって歩み出す瞬間に立ち会えることは、この仕事ならではの醍醐味です。彼ら・彼女らの努力と成長を支援し、その結果として若者たちの人生の選択肢が広がっていく瞬間を自らの手でつくることができます。
社会課題解決のための新たなモデルケースの創出
このプロジェクトは、単なる奨学金制度にとどまらず、社会を生き抜く力の養成に資する包括的な支援プログラムの開発を目指しています。財務管理能力の向上や自己投資意識の醸成など、先進的な要素を取り入れた支援モデルの構築は、教育支援の新たな形を社会に提示することにつながります。
求める人物像
- 教育格差の解消と機会平等の実現に強い関心と熱意を持ち、その価値を他者に伝えられる方
- 前例のないプログラムの開発に対して、創造性を発揮して新しいモデルの構築に挑戦する意欲がある方
- 立場の異なる多様なステークホルダーとの対話を楽しみ、協働を通じて価値を生み出せる方
- 経済的困難や個人の背景によって選択肢が制限されている高校生の可能性を信じ、成長に寄り添い、伴走することにやりがいを感じられる方
- 社会的構造がつくりだす複雑さを理解し、長期的な視点を持って粘り強く解決に取り組める方
- データや効果検証に基づいたプログラム改善に意欲的で、常により良い支援を追求できる方
求めるスキル・経験
- プロジェクトマネジメント経験(特に、複数のステークホルダーを巻き込んだプロジェクトの経験)
- 事業計画の立案・実行経験
- 提案書や報告書の作成経験、ドキュメンテーションスキル
- 詳細は募集要項をご確認ください
募集要項
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契約形態
業務委託
※正職員、非常勤職員などのご希望があれば応相談 -
ポジション
プロジェクトマネージャー
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部署
カタリバ奨学金プロジェクト
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体制
プロジェクトオーナーである宮城のもと、Rootsプロジェクトから渡邉、キッカケプログラムから中島、アダチベースから野倉、ファンドレイジング部から渡辺が参加し、プロジェクトチームを構成しています。今回、ご参画いただく方には、宮城のもとでプロジェクトマネージャーを担っていただく想定です。
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場所
NPOカタリバ本部オフィス
東京都中野区中野5-15-2
JR中央・総武線、東京メトロ東西線「中野駅」徒歩6分
※リモートワークメインですが、必要に応じてオフィス・現場への出社も発生します -
業務時間
・週15~30時間で応相談
・曜日や時間は柔軟に調整可能ですが平日日中帯のミーティングが発生します -
業務委託費
時間あたり2,000~3,000円
※ただし、当社規定により経験・能力を考慮し、面接・面談後に決定 -
契約期間
当初6か月でスタート、その後12か月単位で相談のうえ更新
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応募資格
〈必須要件〉
― プロジェクトマネジメント経験(特に、複数のステークホルダーを巻き込んだプロジェクトの経験)
― 事業計画の立案・実行経験
― 提案書や報告書の作成経験、ドキュメンテーションスキル〈歓迎要件〉
― 教育・伴走支援のプログラム開発・運営に携わった経験
― 奨学金制度に関わる業務経験
― 新規事業の立ち上げや事業開発経験、0から1を作り出すプロセスの経験
― 非営利組織やソーシャルセクターでの勤務経験
― データ分析やプログラム評価の経験
― 複数の組織や部門を横断するプロジェクトのマネジメント経験、多様な利害関係者との調整経験 -
採用予定人数
1名
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働く環境・職場の雰囲気
・書類選考
・面接2回程度+Web適性検査(性格検査のみ、面接時の参考として)
・Web適性検査