不登校の子どもたちが次の一歩を踏み出みだせる仕組みと実践をつくるために、東京都足立区で活動している「足立区不登校支援事業」で、新たにユースワーカーを募集します。
この職種で働くスタッフ
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渡邊 雄大
福祉系大学を卒業後に一般企業を経て、臨床心理学を学ぶために大学院に進学。その後カタリバに入職し、東日本大震災と併せて原子力災害で甚大な被害を受けた福島県双葉郡の、福島県立ふたば未来学園高校に併設された放課後の居場所「みらいラボ」の立ち上げと運営を担う。2018年からアダチベースに異動し、不登校支援事業の立ち上げと業務を担う。
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鬼頭 文音
大学では看護学科・養護教諭養成課程を専攻。卒業後に国立成育医療研究センター小児救急病棟に配属。その後私立小学校の保健室にて9年間勤務し、子どもと保護者が安心して過ごせる居場所づくりに取り組む。 2022年よりカタリバへ入職し、不登校生徒の支援に携わる。
募集の背景
2022年度、「長期欠席」状態にある小中学生は約46万人、そのうち「不登校」とされる小中学生は約30万人に上ることが明らかになりました。この数字は過去10年間で過去最多を更新し続けており、特に近年の増加率は顕著です。
「足立区不登校支援事業」は、2018年から東京都足立区と連携し、この深刻化する不登校の課題に取り組んできました。学校外の居場所・フリースクール「アダチベース」の運営を軸に、メタバースを活用したオンライン支援、校内別室支援、夜間中学を活用した支援(文科省の実証事業に採択され、全国初の官民連携の事例)など、多面的な支援メニューを拡大・発展させ、地域包括的な不登校支援モデルを構築してきました。
今後は、直接的な支援だけでなく、中間支援・間接支援も強化していきます。校内別室の新規設置サポート、区内支援人材や学校への講習、区内で不登校支援を実施している団体の支援などを通じて、より広範囲に不登校支援の輪を広げていきます。さらに、東京都「学校外の子供の多様な学びに関する調査研究事業」への参加など、行政・民間・高等教育機関等と協働した取り組みも積極的に推進していきます。
今回の募集は、こうした事業拡大を背景としています。新メンバーには、まずアダチベースの拠点運営・ユースワークをご担当いただき、次第に社内外ステークホルダーのコーディネートを伴う事業推進をお任せしていく予定です。
誰ひとり取り残さずにまなびにつなぐために、新たな不登校支援モデルを実証するこの挑戦に、ぜひともご参画ください!
仕事内容
まずはアダチベースの拠点運営・ユースワークをご担当いただき、次第に社内外ステークホルダーのコーディネートを伴う事業推進をお任せしていく予定です。また、他の不登校支援を扱っている社内事業と連携した、横断的な不登校支援テーマの推進プロジェクトにも参画いただく可能性があります。
■ アダチベースの拠点運営・ユースワーク
足立区内にある2つのアダチベース拠点のうち、いずれかに配属予定です。経験を積んだ後は、拠点長として現場マネジメントを担うことも想定しています。具体的な業務は以下の通りです。
― 学習プログラムの企画・運営
― 地域の方々と連携した子どもたちへの食事支援
― 文化・スポーツのイベントや体験プログラムの企画・運営
― ボランティアスタッフの採用・育成・マネジメント
― 施設の管理や運営事務全般
■ 拠点外の不登校支援コーディネート
オンライン支援、校内別室支援、支援人材・他団体支援、行政・民間・高等教育機関等との協働実証事業など、幅広い支援メニューや開発テーマから、経験や適性に応じて担当を決定します。以下は、その中で担う可能性のある業務の一例です。
― 拠点以外の現場でのユースワーク
― 社内外ステークホルダーとの連携・調整
― 実証事業の仮説形成・検証、検証結果の評価、レポーティング
― 研修や勉強会の企画・運営、コンサルテーションの実施
■ 社内横断的な不登校支援のテーマ推進
社内には、雲南市不登校支援事業「おんせんキャンパス」やオンライン不登校支援事業「room-K」など、他にも不登校支援を行っている事業があります。それらと連携した、横断的な不登校支援のテーマ推進プロジェクトに参加いただく可能性があります。以下は、その中で担う可能性のある業務の一例です。
― 不登校の課題を取り巻く政策・制度・市場環境などのリサーチ
― 特に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を取り巻く動向の把握と分析
― 各事業のナレッジの横断的な利活用やリソースシェアの検討
― 円滑な意思疎通のハブとしてのコミュニケーション、社内外のネットワーク構築と維持
― 不登校支援に関する新たな事業や取り組みの企画・立案
仕事のやりがい
不登校児童生徒数30万人という喫緊の教育課題に対し、全国に先駆けた先進事例をつくることで社会的インパクトを生み出せるのがこの仕事の大きなやりがいです。目の前の一人ひとりの変化が支援モデルの有用性を実証し、全国の不登校支援政策や現場に反映されていきます。現場づくりと社会的インパクトの創出を一体的に実現できるのは、カタリバだからこそです。
また、多様な支援メニューと豊富なノウハウ・リソースも魅力の一つです。アダチベースの拠点運営から、オンライン支援、校内別室支援、他団体との協働まで、多角的なアプローチを実践・検証できます。さらに、公設民営の教育支援センター「おんせんキャンパス」や、オンライン不登校支援プログラム「room-K」とも連携し、多層的で一体となったテーマ推進に取り組むことができます。
そして何より、子どもたちの成長を間近で実感できるやりがいがあります。挨拶ができなかった子どもが知らない人に挨拶をするようになったり、家で全く話してくれなかった子どもが親と話すようになったり。こうした変化の積み重ねによって、希望の進路を選択できる子どもを増やしていけることが、この仕事の醍醐味です。
スタッフの1日
東京都足立区にあるアダチベースでの勤務となります。勤務中は、子どもたちと直接関わりながら運営に携わる時間と、自身のミッション遂行のため企画業務にあたる時間があります。1日のスケジュールは変動的ですが一例をご紹介します。
〈ある日のスタッフの1日〉
09:00~10:00 開館準備
10:00~12:00 生徒受け入れ、学習支援
12:00~13:00 生徒と協働で食事作り、お昼ごはん
13:00~14:00:教育支援センターとの打ち合わせ
14:00~15:00:閉館、運営の振り返り
15:00~16:00:不登校事業内(おんせん、room-K)との企画打ち合わせ
16:00~17:00:新規登録生徒の支援計画を作成
17:00~18:00:受験イベントの企画設計と準備
求める人物像
- 不登校の子どもたちの可能性を信じ、寄り添い、伴走することに情熱を持てる方
- 多様なステークホルダーと協働し、柔軟にコミュニケーションできる方
- 自ら課題を発見し、主体的に解決策を考え、実行できる方
- 子どもと直接的に関わる仕事と事業開発・推進のどちらにも携わりたい方
- 社会課題を俯瞰的に捉え、現場で得た洞察をより大きなインパクトにつなげたい方
求めるスキル・経験
- 中学生の状況・個性に応じて意図を持って関われるコミュニケーション能力
- 自律的に課題発見・仮説検証のサイクルをまわしていける主体性
- 詳細は募集要項をご確認ください
募集要項
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雇用形態
正職員
※非常勤職員、業務委託などのご希望があれば応相談 -
募集職種
ユースワーカー
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配属部署
足立区不登校支援事業
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配属部署の体制
事業責任者の渡邊のもと、フルタイム職員3名、非常勤職員4名、業務委託パートナー1名、ボランティア6名の構成です。
〈スタッフインタビュー〉
― 鬼頭 文音(元・養護教諭) -
勤務地
東京都足立区 スカイツリーライン沿線
※事業特性上、住所は非公開としております -
勤務時間
09:00〜18:00
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給与
想定年収 370~500万円(手当込み)
※ただし、当社規定により経験・能力を考慮し、面接・面談後に決定月給 26.7万円~
(45時間分の時間外手当として6.4万円~を含む/超過分は別途追加支給) -
待遇・福利厚生
・賞与は業績に応じ年1回支給
(過去3年、給与の2ヶ月分以上を支給/初年度は勤務月数により変動)
・昇給は半年に1回、人事考課により決定
・社会保険完備(雇用、労災、健康、厚生年金)
・産育休制度
・通勤手当(上限3万円)
・帰省にかかる費用の一部補助(地方拠点のみ対象)
・セミナー、研修参加サポート
・先進事例視察研修
・健康診断、インフルエンザの予防接種
・専門家によるオンラインカウンセリング
・屋内禁煙
・副業も可能です(内容に応じて要相談) -
働く環境・職場の雰囲気
・服装は自由です
・役職は付けずお互いにあだ名で呼び合うなどフラットな社風です -
休日休暇
完全週休2日(土日祝)
・夏期休暇(3日)、年末年始休暇(5日)
・慶弔休暇、産休・育休、看護・介護休暇
・有給休暇、新規入職者に対する特別休暇 -
契約期間
有期雇用(3年)
※3年後の面談で双方問題なければ無期雇用に転換または延長いたします -
応募資格
<必須>
*中学生の状況・個性に応じて意図を持って関われるコミュニケーション能力
*自律的に課題発見・仮説検証のサイクルをまわしていける主体性<歓迎>
*教育や福祉の現場(学校や塾、NPOなど)での活動経験
*ピープルマネジメント経験(アルバイトやボランティアも含む)
*地域ネットワークを活用した多機関連携の経験
*教員免許や社会福祉士等の資格 -
採用予定人数
1名
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選考プロセス
▼書類選考
▼一次面接(採用チーム)
▼二次面接(事業責任者など)+Web適性検査
▼現地面接(アダチベースの見学を兼ねて実施)
▼最終面接(代表理事・事務局長)
▼内定※平均3~4回の面接を経て内定となります
※基本的にはオンライン面接ですが、選考プロセスのなかで一度、配属予定の拠点にお越しいただくことが多いです
※選考期間は概ね2〜4週間程度です。候補者の状況によって、最短2日にまとめて実施するなど希望に沿ったアレンジも可能ですのでご相談ください