PressRelease/大船渡市山林火災の被災家庭へ「カタリバこども支援給付金」3/14より応募受付開始

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都中野区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、岩手県大船渡市の山林火災において、被災した子ども・子育て家庭への緊急支援として「カタリバこども支援給付金」を設置しました。この度、2025年3月14日(金)より応募受付を開始します。(応募締切は3月31日(月))
本給付金は、山林火災による生活の急変に直面した家庭の子どもが、一日でも早く日常を取り戻すことを目的とした現金給付型の支援です。
「大船渡市林野火災」で被災した0歳〜18歳の子どもがいる家庭で、住宅被害(全壊・半壊・準半壊)を受けた家庭や、罹災証明が発行されないものの家計に急変があった家庭が対象となります。
「避難したまま家に戻れなかった」大船渡市山林火災で被災した子どもたちの現状

2025年2月26日に発生した岩手県大船渡市の山林火災は、約2,900ヘクタールが焼損し、住宅102棟が被害を受けました。電線の焼損によりライフラインが復旧できず、56名が現在も避難生活を送っています。(*1)
カタリバには被災した家庭から次のような声が寄せられています。
【制服以外の衣服がなく、靴も一足しかない】
火災発生時、中学生・高校生の子どもは学校にいて、自宅に帰宅することなく避難しました。家は全壊し、制服以外のジャージや私服はなくなり、靴も1足しかありません。娘は高校受験で、合格すれば遠方の学校に進学することになり、下宿に住む予定ですが、自宅再建もあるなか、どうしたらいいか…。
【新生活のために準備した生活用品もすべて失われた】
息子が春から専門学校に進学予定です。新生活のために準備していた家具・家電はすべて焼失。学費や生活費の捻出が厳しくて、息子には、不自由させるかもしれないです。
【子どもの通園準備が進められない】
4歳の子どもがいますが、こども園に必要な用品がすべて焼失し、春先も服もなく、新学期の準備がゼロからの状態です。仕事は続けられるものの、自宅再建の目処が立たず、子どものことまで頭が回りません。
【乳幼児を抱えながらの避難生活が負担に】
0歳児がいるなかで全壊。これから始まる離乳食用の椅子やプレイマットなど必要なものをすべて失いました。乳幼児なので避難所には行かずにホテル滞在をしたため、すでに7万円以上の出費が発生しました。今後の生活再建も含めて、非常に厳しい状況です。
【発達特性がある子どものパニックが収まらない】
発達障害のある小学生の息子がいます。自宅は無事だったものの、環境の変化で子どもがパニックになって暴れてしまいます。地域の児童クラブが被災し、他地域の児童クラブでは支援員の加配が追いつかず、預かってもらえません。そのため、仕事を休まざる得ず、家計も体力も不安です。
*1 いわて防災情報ポータル 2025年3月13日 大船渡市赤崎町林野火災発生に伴う対応状況(第 29 報)
https://iwate-bousai.my.salesforce-sites.com/servlet/servlet.FileDownload?file=00PIU00002bmCqV2AU
子ども・子育て家庭の生活再建の初動を支える「カタリバこども支援給付金」
今回の山林火災は災害救助法による、学用品の現物支給支援が適用されました。被害を受けた家庭では教科書や文房具等の学用品以外にも、ジャージ・私服・ベビー用品・医療福祉関連のサービス利用など、さまざまなものが必要です。
しかし、子どもに関連する現金給付型の支援は決して多くないのが現状です。また災害救助法など既存の支援についても、災害により混乱する状況のなかで、学用品等の支援を優先することは難しい場合もあり、被災した子どもの手に届くまでに時間がかかるケースもあります。
一方で今回の山林火災は、被害が市街地まで及ばなかったため市内の生活用品店や医療福祉サービス等を利用することができます。そのため物資支援よりも、地域経済の貢献にも繋がり、より迅速に子どもや子育て家庭の手に届く支援が求められています。
このような状況を受けて、カタリバでは緊急支援「大船渡市山林火災 カタリバこども支援給付金」の給付を決定しました。
大船渡市山林火災 緊急支援「カタリバこども支援給付金」概要
この給付金は、山林火災の被害を受けた子どもが、早期に日常生活を取り戻すことを目的とした現金給付型の支援です。
【申請受付期間】2025年3月14日(金)〜3月31日(月)
【対象】0歳〜18歳(2025年2月26日時点)の保護者で以下のいずれかに該当する方
● 生活実態のある自宅が「全壊」「半壊」「準半壊」の被害を受けた
● 罹災証明が取得できないものの、家計の急変や教育資金の必要性があることを証明できる
【支援内容】
● 子ども一人あたり:50,000円を給付
● 全壊世帯の場合、上記に追加で50,000円を給付(日常生活再建および養育費のため)
【募集人数】被災世帯数に応じて支給予定
【選考】
● 電話面談を実施予定
● 必要書類をもとに、条件を満たしているかを確認
※書類確認の一環で、保護者または応募者の方へご連絡することがあります。
【スケジュール】
2025年3月14日(金) 募集開始
2025年3月31日(月) 応募締切(23:59まで受付)
2025年4月 4日(金) 選考結果通知
2025年4月30日(水) 給付金振込予定
【募集要項】
https://www.katariba.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/126ff1df9b022673c1204c798eb08299.pdf
【応募方法】オンライン申請よりお申し込みください
●オンライン申請専用フォーム
https://form.run/@ofunato-kodomoshien

※必要事項を記入し、必要書類をアップロードしてください。
※必要書類は罹災証明書(後日提出可)、保護者または応募者の本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等)をご用意ください。
【その他】
● 発達障害や医療的ケア児などの子どもに特性があり、日常生活に戻るために特別な支援が必要な方もご相談ください。
● 火災の影響で子どもの部活動・クラブ活動・子ども会などの活動に支障が生じている団体への支援も検討しています。まずはお気軽にご相談ください。
【本給付金に関するお問い合わせ先】
認定NPO法人カタリバ
大船渡市山林火災 緊急支援「カタリバこども支援給付金」
問い合わせフォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf0zn84r5MF5-l8urU1MrVuPP8cfol8qyP8VhYTlmhA3Fz-IQ/viewform
公式LINE「カタリバ災害時こそだてサポート@大船渡」 https://lin.ee/YwJ7ycy
【さいごに】
「カタリバ子ども支援給付金」を含む大船渡市の山林火災におけるカタリバの子ども支援活動は、全国からカタリバに寄せられたご寄付によって実現しています。
▶ご寄付についての詳細はこちらから
https://www.katariba.or.jp/sprit/now/sonaeru/202502ofunato.php
※なおカタリバでは現在物品寄付やボランティア支援は承っていません。

災害時子ども支援「sonaeru」

災害発生時に、子どもたちへの支援を一刻も早く届けることを目的とした緊急支援プロジェクト。これまでの被災地の子ども支援の経験から、「発災直後の子ども支援において、第三者が1秒でも早く駆けつけることが最も大事なことである」と捉え、平時から自治体・企業と事前にアライアンスを組んでおくことで、迅速な支援活動ができるような仕組みづくりに取り組んでいます。2020年は九州地方を襲った令和2年7月豪雨災害、2021年は熱海市の土砂災害時、2024年能登半島地震・奥能登豪雨にて現地での子ども支援活動を実施しました。
認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 :東京都中野区中野5丁目15番2号
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp
問い合わせ
取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/