認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都中野区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)が運営する文京区青少年プラザb-lab(ビーラボ)は、2024年度で開館から10周年を迎えました。この節目の機会に、b-lab10年間の歩みや、現利用者及び元利用者による報告、有識者による基調講演を行うイベントを1月24日(金)に開催することが決定。参加者の募集をスタートしたのでお知らせします。
必要性が叫ばれる子どもの居場所
2023年4月に発足したこども家庭庁では、その年の12月に「こどもの居場所づくりに関する指針(*1)」がまとめられました。地域コミュニティの希薄化や不登校・いじめ・自殺の増加など子どもを取り巻く環境の複雑化などを背景に、子どもの居場所を増やしていくこと・どのような居場所を用意するべきかなどが記載されており、子どもの居場所の重要性は社会で認識され始めています。
内閣府が30歳までの子ども、若者を対象に行った居場所に関するアンケート調査(*2)では、7割超が「家や学校以外に『ここに居たい』と感じる居場所がほしい」と回答。子どもたちもそういった場所を必要としていることがわかります。
「こどもの居場所づくりに関する調査研究(*2)」では、「こども・若者の声を聴き、こども・若者の視点に立った居場所づくり」や「共助・公助を組み合わせながら、官民が役割分担すること」などが必要とされています。実際に子どもたちが「ここが居場所だ」と感じられる場所を民間団体と自治体が一体になって整備していくことが求められています。
*1:こどもの居場所づくりに関する指針 こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/816b811a-0bb4-4d2a-a3b4-783445c6cca3/2e290bc7/20231201_policies_ibasho_10.pdf
*2:こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書概要(内閣府)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_ibasho_iinkai/pdf/ibasho_houkoku_gaiyou.pdf
年間3万人の中高生が利用する「文京区青少年プラザb-lab」
カタリバは、2015年より文京区から委託を受けて中高生専用施設「文京区青少年プラザb-lab(ビーラボ)」を運営しています。
文京区では、文京区青少年問題協議会において、b-labを開設する10年以上前から中高生の居場所の必要性について議論を重ねており、中高生の多様なエネルギーを受け止める場や機会が必要などの提言がありましたが、区内に設置する場所がなかったため実現までは至りませんでした。そんな折、2007年に旧教育センターと旧福祉センターの老朽化に伴う建て替えの検討が契機となり、2009年に「(仮称)青少年プラザ」の設置を計画、その後、数年にわたって検討が進められ、2011年3月に教育センターは、福祉センター療育部と青少年プラザを併せて、複合施設として建設することが決定しました。
2013年に青少年プラザ条例を制定し、翌年7月から区内中学校及び高等学校への学校訪問、対話イベントや音楽ダンスイベント等のPRイベントを実施し、2015年4月、文京区教育センターに併設した青少年プラザを開設しました。
文京区在住・在勤・在学の中高生世代の若者であれば誰でも利用することが出来るb-labは、2023年度に累計来館者数20万人を突破し、年間の延べ利用者数は開館から9年目にして初めて3万人を超えました。中高生の居場所の最先端事例として、さまざまな自治体からの視察なども受け入れています。
また、子どもたちに多様な出会いや、やりたいことを後押しする環境をつくることで、子どもたちにもさまざまな変化がありました。
開館から10年の節目に、中高生(元利用者含む)の声を聴くイベントを開催
2024年度で開館から10年を迎えたb-lab。この節目の機会に、これまでの軌跡を振り返り、今後子どもたちにどのような居場所を届けていくのかを考えるイベントを行います。
当日はb-labを利用する中高生(元利用者含む)がb-labで過ごしたことで訪れた変化などについて語ります。中高生がどのようなことを求めて居場所を訪れ、そこで何を感じ・考えているのか。ぜひ彼ら彼女たちの生の声を聴いて、みなさんと一緒に子どもの居場所について考える機会にしたいと思います。
【イベント概要】
日時:2025年1月24日(金)18:00~20:00
※同日16:45~ 文京区青少年プラザb-lab見学会を開催します。要申込(申込は以下申込フォームより)
会場:文京区青少年プラザ 研修室(文京区教育センター2階 東京都文京区湯島4-7-10)及びオンライン配信
内容:
第1部 報告会(18:00~19:00)
b-lab10年間の歩み、中高生(元利用者含む)による活動発表、今後の展開について 等
第2部 基調講演「こどもの居場所づくり」(19:10~20:00)
【講師紹介】
青山 鉄兵 氏(文教大学人間科学部准教授)
1980年東京生まれ。社会教育分野を中心に、子ども・若者の体験活動や居場所の研究・実践・政策に関わる。現在、文部科学省生涯学習調査官、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員、中央教育審議会生涯学習分科会社会教育のあり方に関する特別部会委員、こども家庭審議会こどもの居場所部会委員、等を兼務。学生時代からYMCAの青少年事業に関わり、現在は(公財)東京YMCA評議員・東京YMCA長期キャンプ「野尻学荘」副荘長。
※第2部に、質疑応答を実施します。現利用者や元利用者、青山氏への質問を会場(オンライン含む)から受け付けます。
【参加方法】
一般の方向け申込フォーム:
https://forms.gle/hZLi3L7wJAd59UyB8
メディアの方向け申込フォーム:
https://www.katariba.or.jp/report/
【取材ポイント】
・実際にb-labを利用する中高生の口から、居場所に通うことでどんな変化があったかを発表
・有識者による「こどもの居場所づくり」の重要性についての基調講演
認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 :東京都中野区中野5丁目15番2号
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp
問い合わせ
・取材に関するお問い合わせ
下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/(担当:カタリバ広報 山本)