認定特定非営利活動法人カタリバ（本部：東京都杉並区、代表理事：今村久美、以下カタリバ）は経済的に困難を抱える家庭や不登校の子どもを対象に、オンラインで支援をおこなう「キッカケプログラム」を運営しています。この度キッカケプログラムが三重県桑名市、NPO法人太陽の家と連携協定を結ぶことになりましたのでお知らせします。

貧困や不登校など子どもを取り巻く課題は複合的に。困難を抱える子どもたちをオンラインで支援するキッカケプログラム

厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査（*1）」のデータによると、子どもの貧困率は11.5%。およそ9人に1人の子どもが貧困状態に陥っています。家庭環境などから意欲を持てずに学習に遅れが出てしまい、結果自分に自信を持てなくなり進学を諦めてしまう。するとさらに貧困のサイクルに陥ってしまい、この課題が後世にも連鎖してしまうという「貧困の連鎖」も社会的な問題です。

また、文部科学省による調査(*2)では、日本の小中学校における不登校の児童生徒を含む「長期欠席者」の数は約 46 万人（460,648人 、うち不登校児童生徒は約30万人）に上り、増加の一途をたどっています。しかし支援リソースは十分とは言い難く、何の支援にも繋がれていない子どもたちの存在が課題になっています。

カタリバが運営する「キッカケプログラム」は、経済的に困難を抱える全国の家庭や不登校の子どもを対象に、オンラインによる伴走と学びのプログラムを提供しています。学習支援だけでなく、自己肯定感を育むためのメンターと呼ばれるスタッフとの定期的な面談や、メタバース空間を活用してオンライン上に子どもたちの居場所を設けるなど、子どもたちが自らの力で未来を切り拓く力を身に着けることを目指し支援に取り組んでいます。また、専門家や地域の自治体と連携し、個々のニーズに応じたサポートも実施しています。

*1：2022年「 国民生活基礎調査の概況」（厚生労働省）
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf

*2：*文部科学省 令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

 

8月20日、三重県桑名市、NPO法人太陽の家と連携協定を締結。メタバースを活用し、子どもたちへ居場所を提供

この度、カタリバが運営するキッカケプログラムは、三重県桑名市、NPO法人太陽の家と連携協定を締結することとなりました。桑名市は、地域の子どもたちの学びや成長を支える取り組みに積極的に取り組んでおり、今回の連携により、桑名市に住む、多様な困難を抱える子どもの中でも、特にリアルな居場所につながることが難しい子どもたちの支援を行います。

具体的には、メタバース空間にそうした子どもたちともつながれる居場所を用意。オンラインのゲームなどを活用して、子どもたちとコミュニケーションを取る上でのきっかけづくりを提供します。また桑名市に拠点を構え、困難を抱える子どもを支援するNPO法人太陽の家とも連携することで、オフラインでの支援が必要な子どもたちをリアルな拠点の支援につなぎ、オンライン・オフラインの両輪で子どもたちを支える体制を整えます。

今回の連携を通じ、桑名市に住む困難を抱える子どもたちが居場所につながり、未来に希望をもって過ごせるようになることを目指します。

取り組みの内容

協定に基づき、下記の内容について協働します。

(1)子どもの居場所の周知
(2)子どもたちが参加しやすいゲーム等のコンテンツの拡充、伴走支援・学習支援など多様なメニューの提供によるメタバースの居場所の設置
(3)地域の居場所への参加、復学、フリースクールなど様々な学習機会への参加、eスポーツ、デザインなど、子どもたちそれぞれの興味関心趣味を活かしての社会参加などについての支援
(4)その他、前条の目的を達成するために、関係者間で合意を得た支援

※ その他、本提言を円滑に遂行するため、その他の具体的な事項については、双方が協議して定めます。

 

NPO法人太陽の家とは

「きみを、あなたを、ひとりにしない。」を合言葉に、10代の居場所、学校内カフェ、こども食堂、等こども達が安心して過ごせて様々な体験ができる居場所を運営。そのほか、学習支援やスキル教育など学びの支援、食や生活支援など個別支援、家庭支援に取り組んでいます。

＜団体概要＞
設立：2015年11月9日（2015年任意団体設立、2016年NPO法人化）
代表：対馬　あさみ
本部所在地：三重県桑名市常盤町51番地6
事業内容：子どもの居場所づくり、見守り、学習サポートをはじめ、子どもたちとそのご家庭を支える様々な支援に取り組んでいる。

 

認定特定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。

＜団体概要＞
設立 ： 2001年11月1日
代表 ： 代表理事 今村久美
本部所在地 ： 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 ： 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供（全国）／被災地の放課後学校の運営（岩手県大槌町・福島県広野町）／災害緊急支援（全国）／地域に密着した教育支援（東京都文京区・島根県雲南市）／家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援（東京都足立区）／外国ルーツの高校生支援（東京都）／不登校児童・生徒に対する支援（島根県雲南市・全国）／子どもの居場所立ち上げ支援（全国）
URL： https://www.katariba.or.jp/

問い合わせ

取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/（担当：カタリバ広報 山本）