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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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PressRelease/外国ルーツの高校生が日本でのキャリアを考える、企業インターンシップ開催

プレスリリース

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)が運営する「Rootsプロジェクト」は、外国ルーツの高校生たちが夏休みを活用し、日本にある企業でインターンシップを行うプログラムを実施することが決定しました。報道関係者限定で公開することとなりましたのでお知らせします。

2040年、次世代の担い手となる外国ルーツの子どもを取り巻く教育の現状

2040年、少子高齢化により、日本の労働供給人口は1100万人不足すると予想されています。(*1)

現在、日本で暮らす在留外国人は322万人(*2)おり、2040年には591万人(*3)にも上ると推測されています。このような人口構成の変化が予測されるなか、外国の方を不足する労働力の補填としてではなく、日本で育ち、共に生活し、社会を構築していく一員として接することが当たり前になる未来が近づいています

一方で、両親またはどちらかが外国出身である「外国にルーツをもつ子ども」は約13万人おり、今後も増加が見込まれています(*4)。2040年には新たな社会の担い手になるにもかかわらず、約8000人(*5)以上の学齢期の子どもが学校に通っていない可能性があるといわれています。また高校生世代に着目すると、日本語指導が必要な高校生は公立高校生全体と比べて中退率や非正規就職率が高い(*6)という状況があります。

カタリバでは2019年から国籍や生い立ちに関係なく、日本にいるすべての人に「社会に居場所がある状態をつくる」ことを目指し「Rootsプロジェクト」を立ち上げました。

Rootsプロジェクトで関わる生徒の多くは、親の選択で来日し、異国での生活を送っています。思春期にこれまで積み重ねてきた学びの力や友人関係がリセットされてしまう不安を抱えつつも、縁があってたどり着いた日本で、前向きにキャリアを築いていきたいと話す生徒が多くいます。一方で、「日本でのキャリアイメージが湧かず、何をがんばればいいのかわからない」「日本で働きたいけど、自分にできるのか不安がある」といった生徒の声が寄せられています。

彼・彼女たちへの日本語学習のサポート体制や進学・就職に伴う制度の拡充は、年々すすんでいます。しかしながら、在留資格や来日時期によっては奨学金を受給できなかったり、学費や生活費を稼ぐためのアルバイトや家族をサポートする役割が重荷になるあまりに学業を諦めてしまう子どもも少なくありません。

また多くの場合、外国にルーツを持つ子どもたちは、語学力のみで意欲やスキルを評価されてしまいがちです。言語力も1つの強みではありますが、子どもたちの個性や積み上げてきた経験が評価される機会を届けることによって、子どもたちの未来への意欲をさらに高めていきたいと私たちは考えています。

外国ルーツの高校生インターンシップ、企業も「未来の当たり前」を体験する機会に

この度、夏休みを活用した外国ルーツの子どもを対象のキャリア支援「Rootsインターン」を実施します。

Rootsインターンは、職業体験を通じて子どもたちと企業が出会い、双方にある言語・文化・価値観の壁を認知・理解しあう機会をつくります

この取り組みにより、子どもたちは日本で働くことへの期待を育み、企業側も外国ルーツの子どもたちへの理解を深めることや、多様な人材との共生・共創について考える機会となります。

「未来の当たり前」を体感できる機会として、これまで積極的に外国人採用を行っていない企業でも実施している他、自治体との連携も進んでいます。

  • Rootsインターン実施概要

【実施日程・賛同企業】
・2024年7月31日(水):サイボウズ株式会社
・2024年8月5日  (月):株式会社ALL CONNECT(オールコネクト)
・2024年9月19日(木):株式会社チョイスホテルズジャパン

【取材申込】https://www.katariba.or.jp/report/

【申込締切】
・サイボウズ株式会社:2024年7月30日(火)締切
・株式会社ALL CONNECT(オールコネクト):2024年8月1日(木)締切
・株式会社チョイスホテルズジャパン:2024年9月12日(木)締切

【取材イメージ】
・外国ルーツの高校生たちの事前研修の様子(オンライン)
・高校生たちが職場体験をしている様子
・高校生たちと企業の方が対話している様子
・高校生たちが企業での体験後、自身のキャリア実現にむけて行動している様子 等

過去のRootsインターン参加者・賛同企業の声

【参加生徒コメント】
・ペルールーツ、Mさん
会社に対する考え方が変わり、日本での生活に対するモチベーションが高まりました。将来、多様な人々とコミュニケーションが取れるという自信になりました。また、心地よく働いている方たちの姿を見て、自分も日本で自由に自分らしく生活していけることを強く感じました。

・フィリピンルーツ、Cさん
私は、やったことないとできない、という考え方をもっていたけど、「できない」と決めてしまうのは早すぎるかも、と気づきました。今までは、やらなかったから、後悔していた。ためさずにやらないと考えるのではなくて、まずやってみる。やる前に無理って決めない、と思いました。

【参加企業コメント】
企業の存在意義について、ただ利益を追求するのではなく様々な形で社会貢献ができるということを知りました。事業会社として経営目標を達成することは何より重要なことですが、このような取り組みをすることで気づきやキッカケが生まれ、より企業の価値を高めることができると思います。

我々の会社は外資系ということもあって仕事で外国の方と接する機会が日本企業で働いている人よりも多いと思うのですが、日本に住む海外の方が増えてきているので、こういったコミュニケーションの場は今後必要となると思います。

Rootsプロジェクトとは

Rootsプロジェクトは、外国ルーツの子ども・若者も当たり前に社会の仲間として迎え入れられ、未来をみんなで一緒につくっていける環境を目指し、学校内外での学習支援・キャリア支援に取り組む事業です。

Rootsインターンは、外国ルーツの高校生がキャリアを考える中で直面する言語・文化・価値観の違いで生まれる社会との壁を、職業体験を通じた対話を通して子どもと企業が双方に考える機会をつくっています。この取り組みは、彼・彼女たちへの認知・理解促進や、高校生が日本社会とのつながりを自分でつくっていく力を育むことを目指しています。
公式note:https://note.com/kataribaroots

認定特定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。

<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援(東京都足立区)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp/

問い合わせ

取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/(担当:カタリバ広報 阿部)

*1 リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」
https://www.works-i.com/research/works-report/2023/forecast2040.html
*2 出入国在留管理庁「令和5年6月末現在における在留外国人数について」
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00036.html
*3 日本政策投資銀行グループ・株式会社価値総合研究所「2030/40の外国人との共生社会の実現に向けた調査研究 ‐外国人労働者需給予測更新版‐」(2024)
https://www.jica.go.jp/jica_ri/news/event/__icsFiles/afieldfile/2024/07/03/JICA_240703_Up.pdf
*4 文部科学省 令和4年3月 「外国人の子供の就学状況等調査(令和3年度)」の結果について
https://www.mext.go.jp/content/20220324-mxt_kyokoku-000021407_01.pdf
*5 教育新聞 2023年4月 外国人の子供の不就学、初めて1万人を下回る 文科省調査
https://www.kyobun.co.jp/article/20230426-04
*6 文部科学省 令和4年10月 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/content/20221017-mxt_kyokoku-000025305_02.pdf