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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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PressRelease/NPOカタリバ、9月に増える子どものSOSに対応する、匿名チャット相談窓口を開設

お知らせプレスリリース

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、2023年9月より石川県加賀市、10月1日より佐賀県東明館中学校・高等学校と連携し、子どもたちが直接カタリバの相談員に匿名相談ができるチャット相談窓口(ブリッジ)をオープンします(本事業は経済産業省「未来の教室」実証事業に採択されています)。この取り組みを通じて、地方都市の複数の学校でカタリバの相談員をシェアし、子どもたちの悩みを早期に把握することで不安や孤独感を軽減、心の安定を図ることを目指します。

不登校・自死は毎年増加するも、子どもたちのケアについては依然リソース不足

令和3年度の文部科学省による調査(※1)では、いじめの認知件数は615,351件で前年度比約120%、不登校の児童生徒をふくむ「長期欠席者」の数は約 41 万人で前年度比約140%、令和4年度の小中高生の自死の人数ははじめて500人を超え(※2)過去最多となり子どもたちを取り巻く課題や抱える悩みは多様化・複雑化しています。また昨今、SNS上で子どもたちの悩みを聞くふりをして心理的に近づき、性犯罪を行うグルーミングなども社会的な問題となっています。

こうした背景を受け、文部科学省は子どもたちの心の揺らぎを早期に察知するべく、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの設置を充実させる方針(※1)を出していますが、特に地方都市などでは、子どもたちの心のケアを担う専門職の人数はまだまだ不足しており、子どもたちが安心安全に相談できる環境の整備が喫緊の課題となっています。

(*1)文部科学省「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

(*2)【令和4年暫定値 発見日】性別・年齢階級×同居人の有無他【EXCEL 70KB】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsu_year.html

カタリバでは保護者向けの相談チャット窓口を運営。利用者は約2000人に

カタリバは2015年から不登校の子どもたちの支援を開始、コロナ禍以降は経済的に困難を抱える世帯をオンラインで支援するプログラムなどを行ってきました。取り組みを行う中で見えてきたのは、保護者の方々も子育てや家庭の状況など多様な悩みを抱えており、誰かに相談したいというニーズです。こうした悩みに寄り添うため、2021年に「カタリバ相談チャット」というオンライン相談窓口を開始しました。

利用者はLINEで悩みを相談することができ、精神保健福祉士や元教員などが相談に対応。子どもの不登校について、DV被害について、子育てについてなどの相談があり、2023年8月末時点で約2000人が利用しています。匿名で利用できるため、身近な人には相談しづらい話を気軽に相談できること、必要であればカタリバの支援プログラムや、自治体が運営する支援先を紹介できるということがポイントです。

「子どもからのSOSに気づけなかった」という出来事から、予兆を早期に察知する仕組み化を考えていた石川県加賀市・佐賀県東明館中高と連携を開始

石川県加賀市は、2022年11月からカタリバと連携し不登校の子どもたちの支援策を検討してきました。しかし前述の背景と同様にスクールソーシャルワーカーなど、地方都市では子どもたちの悩みに対応する人材は足りていない現状があり、また、実際に学校だけで子どもの悩みを受け止めたり、把握したりするのは限界があると感じていたため、状況を改善したいと考えるように。

また佐賀県の東明館中学校・高等学校も、日常的に子どもたちが相談できる環境を用意する必要性を感じていました。

そのような背景下、自分たちで相談員をすぐに配置することは難しく、リソースを外部から確保しながら子どもたちの悩み相談に対応したいと考えていた両者と、保護者を対象にオンラインでの相談に対応していたカタリバが連携。民間事業者であるカタリバの人材を活用して、合わせて25の小中高で、子どもたちの悩みに対応するオンライン相談窓口を開設することが決定しました。相談窓口では保護者からの相談にも対応します。また、本事業は、経済産業省「未来の教室」実証事業に採択されています。

夏休み明けは特に子どもたちの自死や不登校が増えると言われており、その時期に間に合うように子どもたちの相談に対応するため、加賀市では9月から窓口をオープンします。

問題の早期発見を目指し、子どもが匿名チャット相談できる窓口を開設

▲相談画像イメージ

この取り組みでは、子どもたちに1人1台配布されているGIGA端末と私用のデバイスを活用し、カタリバの相談員が子どもたちと保護者の悩み相談を受け付けます。利用する際は匿名で登録を行い、簡単な操作で相談を送ることができます。これにより、子どもたちの悩みを早期に把握することで不安や孤独感を軽減し心の安定を図ること、また支援が必要な子どもたちを早期に支援につなぐことを目指します。

<サービスのポイント>
相談員を外部で確保しオンラインでシェアできるため人口の少ない地方都市でも相談チャットを運営できる
・学校の教員や保護者などに悩みを打ち明けることにハードルの高さを感じている子どもたちも、匿名で、かつ対面ではなくチャットを活用して相談をすることが出来るため相談ハードルが低い。
・悩み相談を受ける中で、何らかの支援機関への接続が必要であると判断した場合には自治体などが用意する支援機関へ接続し、早期支援を開始
・緊急性が高いと判断した場合については警察などの機関と連携しトラブルの未然防止を目指す。
・GIGA端末と私用のデバイスを活用するため、相談先を探す必要がなく、子どもたちが普段触れている端末からアクセスできる。

認定特定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。

<団体概要>

設立 :2001年11月1日
代表 :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL : https://www.katariba.or.jp/

 

「未来の教室」とは

経済産業省は、「『未来の教室』ビジョン(2019年6月)」を踏まえ、様々な個性の子ども達が、未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)になるための学習環境づくりを目指し、1.学びの探究化・STEAM化、2.学びの自律化・個別最適化、3.新しい学習基盤づくりを柱に、2018年度より実証事業に取り組んでいます。

「未来の教室」ってなに? (「未来の教室 ~learning innovation~」サイト)
URL :https://www.learning-innovation.go.jp/about/

問い合わせ

取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/ (担当:カタリバ広報 山本)

公募に関するお問い合わせは下記迄ご連絡ください。
https://forms.gle/TrzkYJo4oFMXNv4j7(担当:カタリバ 相談チャット 藤井)