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群馬県の地域企業が外国ルーツ高校生のインターン受け入れを8/28実施。NPOカタリバと群馬県が連携支援

お知らせプレスリリース

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下 カタリバ)の外国ルーツ高校生へのキャリア支援「Rootsプロジェクト」は群馬県「多文化共創担い手育成事業」と連携し、群馬県内の地域企業で外国にルーツをもつ高校生が、1Dayインターンシップを実施する運びとなりました。8月28日(月)に報道関係者限定で公開することをお知らせします。

外国にルーツをもつ子どもたちを取り巻く環境

「外国にルーツをもつ子ども」とは、両親またはどちらか一方が、外国出身者である方々のことを指します。現在日本で暮らす在留外国人の割合は、人口に対する2.2%(*1) で、2040年には総人口の6.5%にも上ると推測されています。(*2)

外国ルーツの子どもたちは約13万人いるとされ、今もなお約8000人以上の子どもが学齢期にも関わらず学校に通っていない「不就学」のおそれがあるといわれています。(*3)

さまざまな分野での担い手不足に伴い、外国人労働者に期待が集まる一方で、生活面や文化面でのサポートが追いつかないことで、子どもたちに必要な「学びの機会」が提供されていない可能性も示唆されています。

昼間はバイト、夕方は兄弟にご飯をつくり、夜は定時制高校へ。カタリバが関わる外国ルーツの子どもたちの現在地

日本語指導が必要な高校生は、公立の高校生と比べて中退率や非正規雇用就職率が高いといった課題に基づき、カタリバでは2019年から外国ルーツの子どもたちを支援する「Rootsプロジェクト」を立ち上げ、学習支援を実施してきました。(*4)

学習支援を通じて出会った若者の多くは、保護者の仕事の都合により日本に移り住んだ経歴や、日本で生まれても家庭環境と学校環境の文化のはざまでの馴染みにくさを感じていました。

さらに、日本で学びたい意欲がある若者も在留資格によっては奨学金を受給できず、学費や生活のためのアルバイトや家族のサポートをしながら学校に通うために、自身の学びにつながるための1歩が踏み出しにくい方もいます。

カタリバ公式note シリーズ「ぼくらが出会ったあの子の話」/ 「日本でも、わたしは消えてない」”外国ルーツを持つあの子”の話より一部抜粋。
https://note.com/katariba/n/n3d64137d71e9

こうした文化や生活の違いは子どもたちが地域社会と繋がる機会への難しさに起因している他、彼・彼女たちから日本でのキャリアイメージが湧かず将来に不安を感じているといった、さまざまな声を耳にしてきました。

東京都では労働人口の16人に1人が外国につながる人であるデータもありつつ(*5)、学校やキャリアの選択肢とは接続されないことや、社会構図から見えにくい・受け入れるきっかけが掴みづらいことへの課題感を支援をしながら感じてきました。

Rootsプロジェクトでは、そのような子どもたちとの出会いをきっかけに、国籍や生い立ちに関係なく、日本にいるすべての人に「社会に居場所がある状態をつくる」ことを目指し、2022年からキャリア支援「Rootsインターン」を立ち上げました。

Rootsインターンは、言語・文化・価値観等の壁を職業体験を通じた対話を通して、子どもたちと企業双方がお互いと出会える場を創出することで、外国ルーツの子どもたちへの認知・理解や、日本で働くことへの期待を育む取り組みです。

2022年11月から取り組み、これまでに5社で16人の外国ルーツの子どもたちにRootsインターンを届けてきました。

外国人材が活躍できる環境づくりを推進してきた群馬県で、8/28にカタリバの外国ルーツの子どもたち向けキャリア支援を実施

一方で、日本では工業を中心に外国人労働者を受け入れてきたことから、東京をはじめとする関東圏に隣接する工業地帯に、在留外国人が多い傾向があります。その中でも、群馬県は多くの外国人労働者を受け入れてきた地域のひとつとして外国人労働者割合が高い地域です。

そのような背景を受けて群馬県では2021年4月に「多文化共生・共創推進条例」を制定・施行し、同年6月からは全国に先駆けて「群馬県多文化共創カンパニー」として認証制度を創設しました。

外国人を単純な労働力としてではなく、外国人がいることで新しい市場を開拓できるなど、会社を成長させられる仲間として共創する企業を増やすことを目的として、現在までに8社が選出されています。

この度、カタリバと群馬県は地域で暮らす外国にルーツをもつ高校生が、この先も群馬県で自己実現ができるとともに、外国人と共につくる企業が溢れる未来を目指し連携を締結。群馬県多文化共創カンパニーに認証された地域企業で、外国ルーツの高校生が職業体験をする1Day「Rootsインターン」プログラムを開催する運びとなりました。

インターン概要

群馬県で日本語指導が必要とされる高校生は約84人とされ(*4)、そのうち今回の「Rootsインターン」では伊勢崎工業高等学校定時制に在籍する生徒約22名が対象となっています。

【プロジェクト名】群馬県多文化共創担い手育成事業 Rootsインターン
【日 時】2023年8月28日(月)  15:00-17:30
【場 所】詳細はお申込み後にご連絡差し上げます。
【実施企業】有限会社農園星ノ環
【申 込】https://www.katariba.or.jp/report/
※報道関係者に限り公開していますが、取材には事前申込が必要です。申込がない場合は当日の取材をお断りすることがございますので、予めご了承ください。
【申込締切】2023年8月24日(木)
※締切後のご連絡はご対応できませんので、ご了承ください。

1Dayインターンの一日の流れ

オープニングトーク。大人も高校生も今日この場に至るまでのお互いのライフストーリーを共有し、お互いが既に内包している多様な価値観やキャリア観に触れます。

仕事体験。事前に準備してきた企画書や仮説を元に、顧客への提供価値や会社として実現したいことを考えます。

成果発表。大人に話をきいてもらえた、対等に意見を交わすことができたという経験が、高校生のキャリア実現に向かう意欲につながります。

群馬県「多文化共創担い手育成事業」とは

「多文化共生・共創推進条例」を制定している群馬県では、その実現に向けて、ともに価値を創造する外国人材の確保が課題となっています。そこで、群馬県は、将来を担う若い世代の多文化共創への参画を推進するため、今年度から新たに「Rootsインターン」の取り組みを始めました。この取り組みにより、外国人県民を多文化共創社会の担い手として育んでいきます。

カタリバ「Rootsプロジェクト」とは

日本において孤立しがちな外国ルーツの高校生たちが、前向きにキャリアを形成していけるよう、「違いが豊かさとなる未来」を目指して活動に取り組んでいます。彼らが、様々な企業や社会人のロールモデルと出会い、キャリア観・就労観を育んでいけること、資金面や人的支援を中心とした連携により、外国ルー ツの高校生が日本社会とつながり自律していけるよう、この趣旨に賛同し、彼らをともに応援してくださる企業や自治体とともに「Rootsインターン」を2023年より展開しています。

認定特定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。

<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援(東京都足立区)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp/

お問い合わせ

取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/(担当:カタリバ広報 阿部)

Rootsプロジェクトに関するお問い合わせは下記までご連絡ください。
・NPOカタリバ Rootsプロジェクト(外国ルーツの高校生支援)
担当:宮城(tel:090-4434-4306 / mail:roots@katariba.net)

*1 総務省統計局 令和2年国勢調査:https://www.stat.go.jp/info/today/pdf/180.pdf
*2 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「留学生・高度外国人材の受け入れの 実態と課題」(2018)
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/hoiku/20180129/180129hoiku01.pdf

*3 文部科学省 令和4年3月 「外国人の子供の就学状況等調査(令和3年度)」の結果について
https://www.mext.go.jp/content/20220324-mxt_kyokoku-000021407_01.pdf
*4 文部科学省 令和4年10月 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/content/20221017-mxt_kyokoku-000025305_02.pdf
*5 厚生労働省「外国人雇用状況」(令和4年10月末)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30367.html
総務省「労働力調査(2022年平均 都道府県別結果(モデル推計値))」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/pref/index.html
より算出