認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美 以下、NPOカタリバ)は、日本全国の教育支援団体や学校と協働し、実践型探究学習「マイプロジェクト」の推進に取り組んでいます。このたび3/25-27、文部科学省後援のもと、マイプロジェクトや実践型探究学習に取り組む全国の高校生が集う「全国高校生マイプロジェクトアワード2021全国Summit」を開催し、6,225プロジェクトの中から選出された48プロジェクトのメンバーがプレゼンテーションをおこないます。高校生たちのエネルギー溢れる発表をぜひたくさんの方にご覧いただけたらと思い、報道関係者のみなさまへお知らせします。
社会に対する自己効力感が低いとされる日本の若者の現状と、注目される新しい学びのかたち「探究学習」
この4月から全国の高校で「総合的な探究の時間」がスタートしたり、入試の手法として探究学習を取り入れる大学(探究評価型入学試験)が出てきたりと、ここ数年で「探究」という学びの在り方に対する注目度が社会の中で高まってきています。
2019年に日本財団が世界9か国の17~19歳の若者を対象に行った調査(*1)からは、日本人の若者が他国の若者に比べて、社会に対する自己効力感が低く、「自分で国や社会を変えられると思う」「将来の夢を持っている」など、全体的に数字の低さが際立つ結果となっています。国や社会に対して漠然とした課題感は持っていても、自分が行動する事によってそれを変えることができるという意識を持っている若者は少ないのかもしれません。
こういった若者意識の実情は、この調査に限らず様々な調査結果で見られており、探究学習という学びが注目される背景のひとつといわれています。自分の疑問や興味関心から課題を立て、原因と解決策を様々な手段で調査し、社会に出て実践を行おこなっていく探究学習は、そのプロセスを通して、”自分は社会をよりよく変えていくことができるひとりなんだ”という社会参加への意識や自己効力感を育む手段として期待されています。
(*1)日本財団「18歳意識調査」2019
インド・インドネシア・韓国・ベトナム・中国・イギリス・アメリカ・ドイツ・日本の17~19歳各1,000人を対象に実施
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2019/20191130-38555.html
年間6万人以上の高校生が取り組む”実践型”の探究学習「マイプロジェクト」
「マイプロジェクト」とは、生徒たちが身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ、実践型探究学習です。カタリバは、2013年にマイプロジェクトを日本全国の高校生に広げる取り組みをスタート。その時には18人だったプロジェクト実践者は、今年6万人を超えるまでになりました。
マイプロジェクトで大切にしているのは、小さくても実際に起こす「アクション」と、プロジェクトに対する「主体性」。変化の激しい時代だからこそ、与えられたものや答えのあるものに向き合うのみならず、自ら課題を発見し、実社会の中で様々な人と関わりながら問題を解決していく力を育むことが重要であると考え、各地域の学校や企業、教育支援団体・個人と連携しながらマイプロジェクトの推進に取り組んでいます。
▶「マイプロジェクト」webサイト: https://myprojects.jp/
戦死した伯祖父の遺骨を探して沖縄へ。戦後75年の節目に全国紙でも取り上げられたプロジェクトも
カタリバは毎年、全国の教育支援団体や個人、企業などと連携して、このマイプロジェクトに取り組む全国の高校生らが集う学びの祭典「全国高校生マイプロジェクトアワード」を開催しています。昨年度のマイプロジェクトアワード2020全国Summitでは、熊本県の高校生によるプロジェクト「戦争の記憶を継承する」が、グランプリにあたる文部科学大臣賞を受賞しました。
2015年、ある終戦特別番組を観ながら祖母が言った言葉をきっかけに伯祖父が沖縄で戦死したことを知った彼は、県や国が開示している資料を数年にわたって調査し、沖縄へ実際に足を運んで、遺骨収集ボランティアとともにみずから遺骨収集活動をおこないました。遺骨収集ボランティアとの対話や、沖縄の戦跡を訪ねながら自分が感じ取ったことをもとに、朗読劇で戦争の記憶を語り継ぐ活動をおこなうなど、その後も戦争と平和に関する発信活動に力を注いでいます。
「戦後75年が経ち、私たちの世代が、戦争の経験を聞ける本当に最後の世代になりました。記憶は曖昧になりつつあります。本当に時間がありません。これからの平和な世界を築くためには、戦争の記憶から学び、共有し、私たち一人ひとりが考えていかねばなりません。」
(マイプロジェクトアワード2020でのプレゼンテーションより)
家庭内でのふとした会話から始まった彼の探究学習は、様々なメディアに取り上げられ、別の地域の戦争体験者とのやり取りが始まったり、取り組みに関する番組が企画されたりなど、様々な立場の人の心を動かし、日本全国で戦争と平和についての対話の機会を生んでいます。
探究学習に取り組んだ高校生が集う、日本最大級の学びの祭典「マイプロジェクトアワード」を今年も開催
このような自分の日常の中の興味関心や気づきから始まるマイプロジェクトは、全国に広がっています。そして今年度も、このたび3月25日~27日の3日間にわたり、「全国高校生マイプロジェクトアワード2021全国Summit」を開催。1500プロジェクト以上の応募から選出された48チームが集い、プレゼンテーションや学びのシェアなどの時間を通して同年代や社会人イノベーターとともに学びを深めていくイベントです。
今年度、高校生たちは、どのような興味関心を持ち、どのような探究学習を進めてきたのでしょうか。ファイナリスト6チームによるプレゼンテーションと最終審査が行われるDAY2(3月27日)は、一般の方や報道関係者の方へ公開しますので、高校生たちの発表の場を、ぜひ多くの皆様にご覧いただけたらと思います。
●最新情報は特設ページにて随時更新
https://sites.google.com/katariba.net/my-project-award2021-summit/
●概要
・日時:2022年3月27日(日)10:10〜16:30(予定)
・観覧方法:Youtube Live配信
・一般の方向け 観覧申し込みフォーム:https://forms.gle/yNovHUDckwjf4F8S9 (3/20迄)
・報道関係者向け 観覧申込みフォーム:https://www.katariba.or.jp/report/
・申込締め切り:2022年3月20日(日)中(予定)
●プログラム
・10:10 オープニングセレモニー
・10:30 休憩
・11:00 スペシャルセッション(高校生と社会人サポーターとのセッション)
・11:30 ファイナリスト3プロジェクトの発表
・12:50 昼休憩
・13:35 ファイナリスト3プロジェクトの発表
・14:55 休憩
・15:30 結果発表と表彰式
*プログラムは予告なく変更になる場合がございます。
●出場プロジェクト一覧
28都道府県から、48プロジェクトが出場します。
https://myprojects.jp/news/16164/
(北海道、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県、岐阜県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、奈良県、兵庫県、岡山県、広島県、島根県、山口県、徳島県、熊本県、長崎県、宮崎県、沖縄県)
●表彰
・文部科学大臣賞
・高校生特別賞
・ロールモデル賞
・ベスト・ラーニング賞
・ベストコ・クリエーション賞
・ベスト・オーナーシップ賞
●運営
主催:全国高校生マイプロジェクト実行委員会(運営事務局:認定特定非営利活動法人カタリバ)
後援:文部科学省
協力:COACH FOUNDATION、株式会社マザーハウス、一般財団法人三菱みらい育成財団
認定特定非営利活動法人カタリバ
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 :2001年11月1日
代表 :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町・熊本県益城町)/災害緊急支援(西日本豪雨、令和元年東日本台風、熊本豪雨)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市・島根県益田市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区)
URL : https://www.katariba.or.jp/
お問い合わせ
・報道関係者のみなさまは下記フォームへご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/
(担当:認定NPO法人カタリバ広報 高木佳 )
・報道関係者以外のみなさま(学校関係者等)は、下記迄お問い合わせください。
summit-mypro@katariba.net
(担当:全国高校生マイプロジェクト事務局)