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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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NewsRelease/ 7月11日 校則見直しに取り組む全国約10校の生徒・教員、有識者ら 当事者たちがリアルを語るオンラインシンポジウムを開催

お知らせプレスリリース

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下 カタリバ)は、7月11日(日)、教育関係者を対象に、今年「校則見直し」の取り組みをスタートした全国約10校の生徒・教員、有識者など、当事者たちが一同に介し、校則見直しの現在地、そしてこれからについて語るオンラインシンポジウムを開催します。生徒によるプロジェクト発表、業界の第一人者である苫野一徳氏、内田良氏らによるトークセッションを通じて、「校則の今とこれから」について考えるシンポジウムです。教育関係者間での意見交換・情報収集を目的としたイベントですが、このたび報道関係者の皆様に特別公開することが決定いたしましたのでお知らせします。

■文科省「校則の内容は、絶えず積極的に見直されねばならない」ーいま全国へ広がろうとしている校則見直しの動き

2021年6月8日、文部科学省から全国の教育委員会へ、社会常識や時代に合わせて積極的に校則を見直すよう、「校則の見直し等に関する取組事例について」が発出されました(*1)。

そこでは、校則の内容は生徒や保護者の声、地域の状況、社会常識や時代に合わせて積極的に見直されるべきであること、そしてその見直しを学校が生徒たちとともに行うことで生徒自身の主体性を育む機会になるということと共に、いくつかの地域・学校における実践事例、校則を設定する意義・目的が紹介されており、全国の教育委員会から各校への周知が促されています。

*1 https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4475/00019460/01_monka_tuuti_03_176.pdf

■2019年に始まった、生徒主体で校則やルールを見直すプロジェクト

カタリバでは、既存の校則やルールに対して生徒が主体となり、先生・保護者などの関係者との対話を重ね、納得解をつくることを通して、課題発⾒・合意形成・意思決定をする⼒を高めていく「ルールメイカー育成プロジェクト」に2019年から取り組んできました。

ーー「生徒が声を上げても、どうせ何も変わらないって諦めていた。何が正解か分からなかったけど、全力を尽くせた。達成感でいっぱい。」

ーー「いろんな考えがあっていい、という雰囲気が生まれた。この学校の未来がとても楽しみ。」

(プロジェクトを推進した生徒たちの声より)

2019年から校則見直しを実践している学校のひとつ、広島県にある安田女子中学高等学校では、全校からの有志生徒が集まり学年を越えたプロジェクトチームを結成して、校則・ルールの見直しに取り組んでいます。

もともと、安田女子中学高等学校は規律を重んじる校風が強く、生徒たちの間では、既存のルールを変えたり無くしたり、そういった議論をすること自体が難しいことのように思われていました。しかし、まずは自分が感じていた疑問を共有し、どの校則を見直すのかについて全校生徒にアンケートを実施、保護者や周囲の大人たちへもアンケートやインタビューを行い対話しながら、最終的に2020年12月、それまで「三つの禁止事項」とされていた「スマートフォンの持参」「放課後の寄り道」「保護者の同伴なしにカラオケやゲームセンターなどへ行くこと」について見直しが行われ、改めた校則を21年4月から試行しています。

■3年目となる2021年、新たに全国から10校以上がプロジェクトに参加

2019年度は2校で始まったこの取り組みも、今年度は全国の学校から手が挙がり、この春新たに十数校とのプロジェクトがスタートしました。スタートにあたって、各校の課題感や目的はさまざまです。

「生徒たちの姿勢が受け身がちで、自主性や主体性を育みたい」、「教員たちの上意下達な考え方を払しょくしたい」、「学校評価で生徒・保護者たちから『校則が厳しすぎる』という声が多く届いた」、「数年前に新しく創設された学校なので、これからルールを作っていくフェーズであり、生徒たちに積極的に参加してほしい」などといった声が寄せられています。

ーーーーー
<ルールメイカー育成プロジェクトに参加した理由(一部抜粋)>

――毎年独自に実施している無記名の学校評価アンケートにおける生徒指導に関する評価が低く、「校則が厳しすぎる」「納得いかない」という意見が多く見られていました。しかしながら学校に対して自ら意見する生徒は少なく、校則を変える具体的な動きはできずにいたところ、本プロジェクトを知り、参画を決断しました。

――「生徒が主体的に”創り続ける”学校」を理念に掲げ、昨年度に校則の改定プロジェクトを立ち上げました。しかしながら、コロナ禍の影響もあり、思い描いたようにプロジェクトを推進できていない現実があります。この取り組みを通じて第三者や学識、専門家が学校に入り、少しでも現実社会と繋がることができればとも思っています。
ーーーーー

どの学校もそれぞれの歴史の中で築き上げられてきた文化、伝統、ルールがあり、それらに対する様々な意見を持った関係者がいます。だからこそ、様々な関係者との対話を通して生徒たち自身がそれらをどう捉え見直していくのか、そしてそのプロセスを通じて主体性や意思決定・課題解決の力を育むことを期待し参画している学校が多く見受けられます。

■シンポジウムでは、新たな取り組み「アソシエイト校制度」の発表も

当事者である生徒と教員、外部から本プロジェクトに関わるコーディネーター、業界の有識者、それぞれの目線から見えているもの、校則・ルールを見直すことの可能性と教育的価値を考え、生徒主体で校則を見直すこの取り組みが全国に広がっていくひとつのきっかけになればと思い、この度、「校則見直し」の最前線がわかるシンポジウムを開催することになりました。

シンポジウムでは、今年新たに校則見直しに取り組む実践校の生徒・教員からのプレゼンテーションや、業界の第一人者である苫野一徳氏、内田良氏らによるトークセッションを通じて、これからルールメイキングに取り組む全国の学校関係者との情報共有の場を提供します。

また、「うちの学校でも校則見直しプロジェクトを立ち上げたい」という全国の学校からの要望にお応えして、自走型の「ルールメイカー育成プロジェクト アソシエイト校制度」をつくることが決定しました。外部の人材を学校内に迎え入れる従来型のものとは異なり、カタリバが教材提供や研修といった導入サポートを行います。シンポジウムの終了後には、教育関係者向けにこの新制度についての発表・説明も予定しています。

■シンポジウム「カタリバ校則見直しプロジェクト・2021夏」概要

・日時:
7月11日(日)10:00-12:00 シンポジウム、12:00-12:30 アソシエイト校募集説明会(教育関係者向け)
・環境:
10:00- シンポジウム:youtubeにてLIVE配信予定
12:00- アソシエイト校説明会:zoomにて実施予定
・参加方法
お申込みいただいた方へ開催前日までに視聴・参加用URLをメールでお送りいたします
・定員
100名 ※本定員数は目安であり、申し込み状況により変動する場合があります
・参加対象者
教育関係者、報道関係者

■当日プログラム

・10:00- 開会挨拶(プログラム紹介、参加者・登壇者の紹介等)
・10:15- 校則見直しの潮流と「ルールメイカー育成プロジェクト」紹介
・10:30- 実践校によるプロジェクト発表
2-3校規模でのグループワークとして実施、報告者の自己紹介、学校概要、参加動機、プロジェクトへの想いなど
・11:20- 有識者によるトークセッション
「校則見直しは今後どのような展開を見せるか〜文科省『校則の見直し等に関する取組事例について』を受けて〜」
・11:50-「ルールメイキング宣言」に関するアナウンス
・12:00- 閉会
・12:00- 【教育関係者のみ参加】アソシエイト校募集に関する説明会
※プログラムは変更になる場合がございます
※時間は目安です

■参加申し込み

7月10日(土)正午までに下記URLよりお申込み下さい。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfoBK7vg6z-X2YHjwvE2RrIyC4e-azWLZCV1j3KoUv9U7Tu1A/viewform
※報道関係者の方は下記のフォームからご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/

■有識者セッション登壇者(順不同・敬称略)

苫野 一徳
熊本大学教育学部 准教授 哲学者・教育学者

早稲田大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。著書に『どのような教育が「よい」教育か』(講談社)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『教育の力』(講談社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)、『はじめての哲学的思考』(筑摩書房)、共著書に『公教育をイチから考えよう』(日本評論社)、『問い続ける教師』(学事出版)、『学校は、何をするところか』(中村堂)、『みらいの教育』(武久出版)、『愛』(講談社現代新書)などがある。

内田 良
名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授

博士(教育学)。専門は教育社会学。学校のなかで子どもや教師が出遭うさまざまなリスクについて,調査研究ならびに啓発活動をおこなっている。著書に『学校ハラスメント』(朝日新書),『ブラック部活動』(東洋館出版社),『教育という病』(光文社新書),『教師のブラック残業』(学陽書房,共編著)など。ヤフーオーサーアワード2015受賞。

安田 馨
安田女子中学高等学校・副校長

国際基督教大学教養学部卒業。桜美林大学国際学研究科大学アドミニストレーション専攻修了。広告代理店、大学職員を経て、2012年にNPOカタリバに転職し高校生を対象とした出張授業、カタリ場事業を担当。2014年より広島に戻り学校法人安田学園にて勤務。ルールメイキングではNPOカタリバとの連携調整、学校内調整および生徒の伴走を担当。2021年度より現職。

■認定特定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立   :2001年11月1日
代表   :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町・熊本県益城町)/災害緊急支援(西日本豪雨、令和元年東日本台風、熊本豪雨)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市・島根県益田市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区)
URL   : https://www.katariba.or.jp/

■本リリースへの問い合わせ

・イベント内容に関する問い合わせは下記へご連絡ください。
rulemaking@katariba.net(担当:藤本)
・取材ご依頼に関する問い合せは下記フォームよりご登録ください。
https://www.katariba.or.jp/report/