2020年8月28日(金)、Webメディア「HUFFPOST(ハフポスト)」にて、カタリバ代表理事・今村久美へのインタビューが掲載されました。コロナ禍であぶりだされた課題やそれに対するカタリバの取り組み、これからの学校や先生の役割について語っています。お時間ある方は、ぜひお読みください。
■掲載URL
『一斉休校、あの騒動は何だったのか。「学校」と「教師」の転換点にするために必要なこと』
▼以下、掲載記事より抜粋
―コロナ禍で一斉休校が行われる中、あぶり出されたこととは何だったのでしょうか。
今村「社会の分断と学校の存在意義を感じました。
休校中、子どもの人間関係は家庭に閉ざされ、その結果、家庭ごとの事情が子どもに大きく反映されました。
高度な教育を受けさせる家庭や学習の遅れを心配している家庭もある一方で、食事すらないという子、親の新しいパートナーの家を渡り歩いた子、妊娠の不安を抱える子など、厳しい状況の子たちもいました。
こういった状況は学校に通っていれば先生に見つけてもらえたかもしれない。学校は、親を通さずに子どもが個人として社会に接続できる場所であり、福祉的な側面もあるのだと再確認しました。」
(中略)
―学校の福祉的な存在意義やICT活用の重要性を感じた一斉休校とのことでしたが、このまま「コロナ禍以前の学校」に戻っていきそうです。
今村「休校当時は多くの人が、「ICT活用は重要だ」「今までの学校教育は限界だったのでは」と感じたと思いますが、今、先生たちは新型コロナへの対策や授業の時間数確保に追われて余裕のない状況です。学校での会話は制限され、休み時間も短くなるなど子どもたちのストレスも大きくなっています。
でも私は、学校の限界と果たす役割が見えてきた今だからこそ、学校はどういう場なのかを捉え直す時だと思います。」
(中略)
―文科省も「GIGAスクール構想」で個別最適化した学びを進めるとしていますね。そうすると、先生方の立ち位置・役割も変わっていくのでしょうか。
今村「先生はこれまでのように一方的になりがちな知識伝達型の授業をする「指導者」ではなく、分からない子がいたら支援し、進んでいる子もフォローする「伴走者」になっていくと思います。
そして集団でなければできない、ディスカッションやグループラーニングなど、協働的な授業に時間を注ぐ方向に進むべきです。
そうしなければ、GIGAスクール構想もただ「整備した」だけで終わってしまいます。」