2020年8月14日(金)と8月18日(火)Webメディア「LAXIC(ラシク)」にて、カタリバ代表理事・今村久美のインタビューが掲載されました。現在行っているクラウドファンディング【あの子にまなびをつなぐプロジェクト】にかける思いを語っています。「格差社会と言うよりは”分断社会”と戦っている」「まずは今、何が起きているのかを知ってください」と語る今村。是非お読みください。
■掲載URL
前半:https://laxic.me/interview/2020/08/vol169
後半:https://laxic.me/interview/2020/08/vol169_2
■LAXICとは?
「LAXIC(ラシク)」は、仕事と育児どちらも欲張りたいワーキングマザーのためのWebメディアです。
https://laxic.me/
▼以下、掲載インタビューより
今村:「多くの方が、(貧困は)日本で起きていることだと思っていません。被災地や災害支援などに対してはみなさん理解も早く、疑問を持つことなく支援してくださるのですが、子どもの貧困に対しては、家庭の中に隠れているので非常に理解されにくいです。」
ー2月末の休校要請の後、全国の子どもたちに向けてすぐ「カタリバオンライン」で居場所や学習機会を提供してこられました。その時に、「オンライン上に入ってこられない子どもたちがいる」という課題が浮き彫りになったそうですね。
今村:「そうなのです。オンライン上に入るには、まずはPCやタブレットなどのデバイスとネットワーク環境が揃っていること、接続する上でのテクニカルなサポートがあること、あとは安心・安全なコンテンツにつなげるための大人のナビゲートがある、この3点が必ず必要です。この条件が揃わないと、オンライン上の居場所や学習にはつながりません。ですので、最も居場所を必要としている子どもたちに、居場所を届けられていなかったのです。」
ー学校という居場所がなくなり、オンラインでつながることもできない子どもたちは、どうなるのでしょうか?
今村:「これまでの被災地支援や過疎地での経験から考えられるのが、リスクの高いコミュニティに子どもたちが接続し、巻き込まれてしまう危険性があります。そこでPCを無償貸与し、しっかりと大人がついて、学習機会をサポートするプログラムを作ろうと決めました。」
「日本もこれから急速にオンライン教育に進んでいきますが、PCやタブレットといったデバイスを使うだけではなく、最も重要なのは”伴走する”大人の存在だと考えています。」
「ただPCやタブレットを配るだけでは、YouTube漬けになってしまうかもしれません。デバイスの使い方が重要なのです。もし親が伴走できないのであれば、今回の方法のように、別の大人がオンライン上でサポートに入り伴走し続ける、このスタイルを日本各地で実施できるよう、将来的につないでいきたいのです。政府としてもICT教育のためにパソコンの予算はとっていますが、伴走する大人の存在は想定されていないので、「PCだけではなく、今後は”デジタル・ソーシャルワーカー”というべき新しい役割が必要です!」ということを国に提言していきたいのです。」
「貧困に対してアプローチをしようとすると、どうしてもその環境に置かれている人たちと「支援する側・される側」というような上下の関係を想像されるかもしれません。そうではなく、相手には必ず尊敬の気持ちを持ち、友人のようなフラットな関係が築けるような、対話的支援を目指しています。」
ー普段の生活の中で分断や格差に触れていない私たちには、一体、何ができるでしょうか?
今村:「まずは今、何が起きているのかを知ってください。寄付をすることが知る機会にもなりますし、今回は寄付をしてくれた人たちに伝える場を持つので、ぜひそういった場にも参加してほしいです。
「「どうして今、こういう状況なのか」と想像力を少し働かせて、少しでも知ろうと心がける、声をかけるだけでも状況は違ってくると思います。」