コロナ禍で困窮する子どもたちに学びを届ける新事業「あの子にまなびをつなぐプロジェクト」スタート、クラウドファンディング開始
認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村 久美、以下「カタリバ」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で困窮する子どもたちを支援する新事業「あの子にまなびをつなぐプロジェクト」を多くの設立発起人の皆様とともに立ち上げ、本日から8月31日まで、1,500万円を目標金額としたクラウドファンディングを開始し、コロナの影響で生活に苦しむ子どもたちを支援してまいります。
また多くの芸能人・文化人の方などにも、「子どもたちを支えたい」という想いに共感いただき、ドリームサポーターとして寄付者の方への返礼品や子どもたちに届けるオンライン講座にご協力いただくことも決定しました。
“コロナで困窮する子どもを、誰ひとり取り残さない”
ぜひ皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
●プロジェクトクラウドファンディングページはこちら
https://readyfor.jp/projects/manatsuna?news
取り組みの背景
これまでの教育や社会が取り残してきた、困窮世帯の子どもたち。 外からは見えにくかった格差や課題は、コロナ禍によってあらわとなりました。
オンライン授業があっても、ネットにアクセスする環境が家にない子。
保護者の収入減・ストレス増によって、険悪な家庭環境の中で居場所を失った子。
学校が休校になって給食がなくなり、お腹をすかす子。
保護者からは、カタリバへこんな声が届きました。
中学生と小学生の子がいるひとり親です。休校で食費や光熱費もかさみ、子ども達はイライラして家の壁や物を壊したりしています
家が狭く、親子とも密室の中でストレスがたまっています。子どもは夜に眠れなくなり、自傷行動をおこしています。
子どもと2人暮らし。コロナの影響でパートをクビになりました。家賃も払えるかわからないし、子どもに遊び道具も買ってあげられない。自身に病気もあって心身ともに限界です。
総務省の4月の労働力調査では、営業自粛の影響などによる休業者は597万人。またパートやアルバイトなどの非正規労働者が97万人減ったというデータが出ており、うち28万人は35〜44歳の母親世代の女性でした。日本ではもともと、子どもの7人に1人が相対的貧困と言われています(※相対的貧困とは、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指します)。もともと生活に苦労していた家庭が、 今回のコロナ禍によってさらに窮地にたたされています。
そして貧困は、子ども達の生活や気持ちにも影響し、世代間を超えて連鎖していきます。
浜銀総合研究所の「生活保護世帯の保護者・子どもの生活状況等の実態や支援のあり方等に関する調査研究」によると、生活保護世帯の約4割の子ども達が、”自分は価値のある人間だと思わない””将来の目標がはっきりしない”と思っているそうです。貧困は、子ども達にとって大切な自己肯定感や、何かにチャレンジしようという気持ちを失わせてしまうのです。
カタリバはコロナによる一斉休校要請を受け、3月4日からZoom上にオンラインの無料の居場所「カタリバオンライン」をオープンしてきました。また困窮世帯へは、パソコンやWi-Fiを貸し出してひとりひとりとオンラインで面談しながら学習支援をしたり、子どもと保護者にお弁当を配布するなどして、窮状をサポートしています。しかし、子ども達への支援は、まだ十分ではありません。
「困っている子ども達に学習機会やサポートをもっと届けたい」
「貧困の連鎖が拡大していくのを止めたい、それが教育の役割なはず」
このような想いのもと、「あの子にまなびをつなぐ」プロジェクトを立ち上げます。
あの子にまなびを
つなぐプロジェクト
について
活動内容
困窮している家庭には、食糧支援や給付金などの緊急支援も必要ですが、それだけでは貧困の連鎖は解消されません。貧困の連鎖を断ち切るのは、学びです。学びとは、ただ教科書やパソコン等の機器を渡せば済むものではなく、顔の見えるつながりや、自分の存在が認められる機会をこそ、 子どもたちは必要としている。その上に、学びへのやる気が伸びていく。 私たちはそう考え、継続的に子どもたちと関わっていきます。
1.オンラインを活用し、子どもと保護者に顔の見えるつながりを届けます
ただハードを整えるだけではなく、子どもにも保護者にも安心してもらえるよう、顔の見えるつながりを大事にしながら支援を行います。
・パソコンやインターネットの使い方の研修
・オンラインでの居場所支援・学習支援
・課題を抱える子どもへの、週1回の個別面談
・保護者との電話相談、福祉相談
2.ひとりひとりにあわせた学習支援と、新しいキッカケを届けます
子どもたちは、ひとりひとりの理解や進度に合わせ、個別に学習を進めていけるAI型タブレット教材「Qubena(キュビナ)」や、フィリピンの英会話の先生と楽しく英語を学べる「WAKUWORK(ワクワーク)イングリッシュ」を無料で使用・参加できます(通常は有料で提供されているプログラムです)。
また、学習支援だけではなく、世界100カ国の子どもたちと交流できる「WORLD FRIENDSHIP」プログラムや、放課後に行う部活動のプログラムなども実施しています。著名人のドリームサポーターによる、特別レッスンもあります。
3.オンライン環境のない子どもには、パソコンやWi-Fiを貸与します
自治体による困窮世帯へのパソコン貸与や、生活保護世帯への通信費補助なども始まっていますが、全国にはまだオンライン環境が行き渡っていない子どもがいます。子どもたちを取り残さないよう、そういった子たちへパソコンやWi-Fiを貸与します。
また、どうしても家庭内に居場所のない子ども達のために、感染対策に気をつけながらカタリバの各拠点でもオンラインでのサポート・電話でのサポートやお弁当の配布などを実施しています。
4.研究者と一緒に、本プロジェクトの評価研究を行います
ただ支援して終わりではなく、研究者の方たちと一緒に経年評価を行い、エビデンスベースの現場改善を重ねていきます。本取り組みがこれからの子ども支援や貧困改善の一助となるよう、評価研究した内容についても発信していきます。 以下のような研究者の方たちと、研究を進めていきます。
・国際大グローバル・コミュニケーション・センター准教授 豊福晋平
・立教大学 経済学部 教授 中原淳
・慶應義塾大学 教授/教育経済学者 中室牧子
*上記以外にも、 子ども達の支援ニーズにあわせてそのタイミングで必要な支援を行い、 サポートしていきます。
設立発起人(一部紹介)
設立発起人代表
今村久美/認定NPO法人カタリバ 代表理事
「コロナ禍は世界中の人を被災者にしました。 学校にも行政にも頼れない子ども達は、 その家族がもともと持っている経済力やつながりによって、 得られる機会に大きな格差が生まれます。 しかし、 2020年現在、 機会さえあればテクノロジーによって自らの可能性を切り拓くことは容易なことなのです。 誰ひとり、 コロナ禍の間に取り残さない。 」
設立発起人(五十音順)
今度珠美さん/鳥取県情報モラルエデュケーター
小泉文明さん/株式会社メルカリ 取締役President(会長)
酒井 穣さん/株式会社リクシス副社長
神野元基さん/株式会社COMPASSファウンダー
高橋歩さん/作家/NPO法人オンザロード 代表理事
竹下隆一郎さん/ハフポスト日本版編集長
豊福晋平さん/国際大グローバル・コミュニケーション・センター准教授
中原淳さん/立教大学 経営学部 教授
中室牧子さん/慶應義塾大学教授・教育経済学者
水野雄介さん/ライフイズテック株式会社 代表取締役CEO
村上絢さん/一般財団法人村上財団 代表理事
山崎大祐さん/株式会社マザーハウス 代表取締役副社長
山田貴子さん/株式会社ワクワーク・イングリッシュ 代表/慶應義塾大学 講師(非常勤)
ドリームサポーター(一部紹介、五十音順)
有森也実さん/女優
為末大さん/為末大学学長・元陸上選手(男子400メートルハードル日本記録保持者)
一青窈さん/歌手
丸山敬太さん/ファッションデザイナー
MEGUMIさん/女優・タレント
山口絵理子さん/株式会社マザーハウス 代表取締役社長兼チーフデザイナー
活動資金を集める
クラウドファンディング
開始
子どもたちのニーズにできるだけ早く応えるため、カタリバでは、「カタリバオンライン・キッカケプログラム」での奨学PC配付と家庭への伴走など、すでに活動を開始してきました。クラウドファンディングで、みなさまからのご寄附が目標金額より増えれば、より多くの子ども達へ支援を届けることができるようになります。ぜひ応援ください。
またご寄付はもちろん、本取組みを発信いただけることも大きな応援になります。ぜひ皆様の応援をよろしくお願いいたします。
●クラウドファンディング期間
2020年6月22日(月)〜8月31日(月)午後11時
●クラウドファンディングプロジェクトページ
https://readyfor.jp/projects/manatsuna?news
*今回のクラウドファンディングでは、設立発起人やドリームサポーターの皆様に返礼品へのご協力をいただいています。ドリームサポーターデザインのチャリティステッカーやチャリティマスク、特別講演会の開催やオリジナルグッズなど様々なのリターンをご用意していますので、詳しくはクラウドファンディングプロジェクトページをご覧ください。
●目標金額
15,000,000円
●これまでの取組みと今後の予定
2020年3月:オンラインの無料の居場所「カタリバオンライン」開始
困窮世帯への奨学パソコン「キッカケプログラム」募集開始
2020年4月:全国の子ども達の登録者が1000名突破
2020年5月:海外の子ども達と交流する「ワールドフレンドシップ」開始
2020年5月:奨学パソコンを15人の子どもへ届ける
困窮世帯に向けた保護者相談・個別面談を開始
2020年6月:奨学パソコンを75人の子どもへ届ける
**
2020年7月~:奨学パソコンを子どもへ届ける
2020年8月~:
・効果検証プロジェクトの開始
・地域協働事業の開始
・ペアレントメンター制度の開始
・不登校児童生徒への支援の開始
など、寄付獲得金額に応じて利用者の拡大を予定
本プレスリリースへの
問い合わせ
認定特定非営利活動法人カタリバ
担当:広報・ファンドレイジングチーム 渡辺
TEL: 0120-130-227(フリーダイヤル/平日9:30〜17:30)
Email: pr-fr@katariba.net