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全社会議2019を開催しました~これからの10年を語り合うUPDATE KATARiBA~[お知らせ]

お知らせ

全国からスタッフが集う、8回目の全社会議
テーマは”UPDATE KATARiBA”

2019年5月、カタリバ全社会議を神奈川県三浦半島にて開催しました。

年に一度、全国の各現場のメンバーがひとところに集まり、互いに顔を合わせ、対話を通して組織のビジョンやミッションをとらえなおすという機会です。

今年で8回目の開催となる全社会議、テーマは“UPDATE KATARiBA”。

2001年に立ち上げ、高校への“出張授業カタリ場”を通して学校に社会を運んできたカタリバ創業期を1.0。2011年からの10年、東日本大震災をきっかけとした、学校を社会に開き10代の日常に伴走している今を2.0。そして2021年からを“カタリバ3.0”と定義した時に、次の10年で何を目指し、どんな価値を10代に届けていくのか?

日々向き合っている子どもたちが成長したその未来に思いを馳せながら、一人ひとりが次のカタリバをつくる当事者として、仲間と議論した、2日間の様子をご紹介します。

カタリバ3.0を見据え、
オールカタリバで提言を描く2日間のスタート

全国各地から集まった107名のスタッフ。顔なじみのスタッフもいれば、入社したばかりで初めて会うスタッフもいます。普段は異なる地で活動しているスタッフ同士、自己紹介をかねた小グループでのアイスブレイクワークから全社会議が始まりました。

小グループで自己紹介をしながらアイスブレイク

ここでの交流をきっかけに、ノウハウを共有しあうコミュニティができたり、社内の横断的なプロジェクトが生まれ教材の共同開発につながることもあります。緊張気味だった新入スタッフの顔にも、笑顔が見え始めました。

初日のメインプログラムは慶応義塾大学教授であり、ヤフー株式会社CSOの安宅和人氏と東京大学大学院教育学研究科教授の牧野篤氏にご登壇いただき、社会をとらえる新たな視点をいただきました。

安宅氏と牧野氏のクロストーク

お二人のクロストークの後は、「安宅ゼミ」と「牧野ゼミ」に分かれさらに学びを深めます。スタッフそれぞれが現場で感じている疑問を解決するヒントを得るため、時代の流れを掴むため、様々な質問が飛び交いました。

最後にゲストのお二人にいただいた多くの学びを共有し合うクロージングセッションを行い、一日目のプログラムは終了しました。

既存の枠にとらわれずに個々の発想を磨くことが
次の時代のカタリバを創り出す

二日目は早朝ヨガのチェックインからスタート。カタリバ3.0に向けた提言をグループごとに考えます。代表理事の今村から「現場を持っている皆さんの立場だからこそ、2021年からの10年を思い描いていただきたい。」と投げかけがあり、グループごとに分かれて提言をつくり出すワークが始まりました。

朝から昼過ぎまで、それぞれのグループで熱い議論が繰り広げられます。

議論が煮詰まると、ほかのグループと意見交換し、新たな気づきをもらってさらに深めていくという場面もありました。カタリバ歴の長さや立場は関係なく、新しいスタッフの視点も後方支援を行っているスタッフの視点も、すべてがその場に必要な観点として現れ、違いから学びあい、織り交ぜられながら議論が深まっていきました。

お互いの現場が違うからこそ生まれる議論に熱中する

2日目の午後、全社会議も終盤。グループごとに、ここまで対話を重ねてきたカタリバ3.0に向けた提言を発表します。

カタリバのあり方を進化させる提言もあれば、スケールアウトしていくために必要な観点を発表したグループもあります。多様なステークホルダーが垣根を越えて協働する提言もあれば、スタッフの働き方改革を訴えるグループもありました。

未来の話というと抽象的になりがちですが、日々子どもたちと関わっている現場でのエピソードや経験をもとにつくられている提言にはリアリティがあり、互いの発表に真剣に耳を傾けていました。その場で出る質問から、さらに中身が掘り下げられるシーンもありました。

グループごとの提言発表、質問や意見も飛び交う

最後に2日間を終えて感じたこと・学んだことを考え、シェアするクロージングセッションを行い、今年の全社会議は終了しました。

全社で集えるのは年にたった一度です。

組織のビジョン・ミッションを再確認し、自分たちの現場に落とし込み、また次の日から日常を走っていく。参加したスタッフにとっては、目の前の現場をいったん俯瞰して捉え、全体を見渡し、未来を見つめるタイミング。そうすることで新たに見つけた視点はきっと日々の活動に活かされ、10代にプラスになって返っていくと信じています。

一人ひとりが枠を超えることを恐れずに
自分自身をアップデートしていく

初めて参加した新入職員21名に、カタリバの全社会議はどう映ったのでしょうか。
新人だから…とだんまりでいることが許されないカタリバ。
むしろ、新しい視点と経験をもった人たちにこそたくさん語ってほしい。その中で一人ひとりが自分自身をアップデートさせていく。その延長線上に、カタリバの組織としてのアップデートもあるのかもしれません。

そんな、新しいカタリバをともにつくっていく彼らに、全社会議の感想を聞いてみました。

初めての全社会議は、会議室の扉を開けた瞬間に部屋いっぱいから溢れ出す会話と熱気に圧倒されるところから始まりました。創りたい未来のためにカタリバが提供するものやカタリバの価値を頭を振り絞り考える2日間でした。他拠点の方とお話しすることで以前よりもカタリバのことを理解し、皆さんの教育や子どもたちへの想いも伺い、とても濃厚な時間となりました。子どもたちがおんせんキャンパスを卒業しても未来に希望を持って歩きだせるように、固定の枠に捉われずに何ができるのかを常に考えながら今後も向き合っていきたいと思います。

おんせんキャンパス  大野 友美

初めて参加して感じたことは、みんなめっちゃ熱い!めっちゃ若い!そしてめちゃくちゃ楽しい!カタリバという巨大なエネルギーの渦に飛び込んだ2日間。例えるなら、洗濯機に入れられてぐるぐる回ったような衝撃と情報量。とても一言では言い表せないような様々なバックボーンと多様性に富んだ人たちとの出会い。
この人たちとなら本当に未来は作れると本気で思えてしまえるようになった怒涛の31時間。通常業務の中で全社会議で得たモチベーションを一年間維持して、また来年皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
アダチベース  廣田 悠大

安宅さんの「日々1%の成長」の話は、新入職の今だけでなく1年後、2年後、その先にも深く胸に刻んで日々を過ごせるかが大事だと考えさせられたり、牧野先生の「言葉」の力で、人の心や社会を動かす事、価値を生み出す事に貪欲にチャレンジしていきたい…!と密かに闘志を燃やしました。とにかく言える事は、めちゃくちゃ頭も体力も使ったけど、最高に楽しい2日間でした!!!

広報ファンドレイジング  池田 利恵子

社会が抱える課題に対して本気で語り合う人たちが集まっていることが、カタリバの力であり魅力であり、ひとつの価値だと肌で感じた2日間です。カタリバをそれぞれの事業で展開させながらも横軸でしっかりと結びつき、カタリバとしての未来をともに描くことが、これからの発展に不可欠であると認識しました。牧野さんが語られた「多様性は常に価値の源」が特に印象的で、既存の枠にとらわれずに個々の発想を磨くことが次の時代のカタリバを創り出すのだと胸に刻み、日々の業務に取り組みたいと思っています。

全国高校生マイプロジェクト事務局  渡辺 文子

新入職員として参加した初めての全社会議では、カタリバの一員として本気でぶつかるという覚悟を得ることができました。熱い議論を繰り返し、互いのちがいから創発を生み出す過程は、まさにカタリバの組織を体現していたように思います。たとえ不確実な未来であっても、一人一人が枠を超えることを恐れずにアップデートしていく。そんな仲間とともに、チャレンジングなカタリバ3.0を創っていけることにワクワクしています!

コラボ・スクール女川向学館  稲村 友紀

非常に実りある時間でした。普段会えない全国の拠点の方との交流の中で生まれるカタリバの未来に純粋にワクワクしました。一番の収穫は、クレドをジブンゴト化することができたことです。私たちが目指す未来には多くの壁があることを強く実感したと同時に、今まで乗り越えてきた壁があったこと、目の前にある課題に立ち向かう仲間がいることに勇気をもらう二日間でした。

コラボ・スクール大槌臨学舎  荷川取 佑太

これからも私たちは、それぞれの日常の中で、現場の10代と向き合い、未来は創れると信じられる社会を実現するために走り続けていきます。

文=長濱彩