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News

高校生世代の5人に1人がSNSいじめを経験-2018年 思春期の実態把握調査[プレスリリース]

プレスリリース

2018年12月20日
【プレスリリース】
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高校生世代の5人に1人がSNSいじめを経験
2018年 思春期の実態把握調査

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認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美)と株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役社長 グローバルCEO:スコット・アーンスト)は、思春期世代の実態・および思春期世代を取り巻く環境を調査することを目的に、協働調査として「2018年 思春期の実態把握調査」を実施しました。

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株式会社マクロミル・認定NPO法人カタリバ協働調査
「2018年 思春期の実態把握調査」

全文はこちら


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高校生世代の5人に1人が何らかのSNSいじめを経験

【調査結果】

■約半数が1日1時間以上、SNSや動画共有サービス等を利用、11%は4時間以上利用している

■LINE、YouTube、Twitterの利用率は8割を超える

■Twitter利用者の半分以上が裏アカウント(※)を所有している

■裏アカウント利用理由は「身近な友人の愚痴・悪口ではないが、知られたくない意見を投稿したいから(30%)」、「身近な人には言えない(知られたくない)悩みを投稿したいから(20%)」、「身近な友人との愚痴や悪口を投稿したいから(14%)」など、身近な人に言えない/知られたくないことをSNS上で隠れて発信している側面がある

■5人に1人が何らかのSNSいじめを経験し、その内、約4割は何の対処もしていない

※裏アカウント:身近な友だちに公開していない匿名のアカウント

高校生世代の日常的なコミュニケーションに深く関わるSNS。そのSNS上で悪口や誹謗中傷を書かれたり、グループから外される・ブロックされるなどのいじめを、5人に1人の高校生世代が経験していることが分かりました。また被害にあった場合の対処方法は、「何もしない(39%)」、「学校の友人に相談した(25%)」が高く、親や教員への相談の割合は低くなっています。Twitter利用者の半数以上が裏アカウントを所有していることや、メッセージ機能としてのLINEは外部閲覧ができないことから、そもそも発見しにくいSNSいじめ。大人の知らないところで起こっている可能性も高いと考えられます。

 

同級生や家族との人間関係、漠然と感じる生きづらさなどの悩みは5〜7割が相談しない

【調査結果】

■家族以外で交流するのは、同じ学校の(だった)同級生と先生が4割超、それ以外はネットに限られる
■9割が悩みを抱え、「漠然と感じる生きづらさや息苦しさ」を4割もの高校生世代が感じている

■「同級生や家族との人間関係、身体的特徴、漠然と感じる生きづらさ」といった悩みは「相談しない」割合が5~7割と高い

■親や教員や友人に相談しない理由は「悩みを知られたくない」「心配をかけたくない」等

■親・先生以外の大人へ相談する理由は「相談しやすい・共感してくれそう・人生経験が豊富」が上位だが、相談しない理由は「信頼できない・自分のことをよく分かっていない」

■保護者も子どもからの相談に6〜8割程度は「解決できていない」と感じており、相談に応えきれない理由は「解決方法が分からない・詳しくない・自分より他の人に相談したほうがよい」

■高校教員も生徒からの相談に8割前後は「解決できていない」と感じており、相談に応えきれない理由は「時間がない・価値観が違う・経験がない」

高校生世代は、狭いリアルのコミュニティでは言えない・知られたくない悩みや本音の一部をうまく対処できずに過ごしていることが分かりました。それがSNSの裏アカウントでの発信等に繋がっていると考えられます。しかしネガティブな感情や弱っている気持ちをネット上で発信することは、危険も伴います。家族や学校以外で、ある程度年齢が近く、自分よりも経験豊富で信頼できる大人が身近にいることが必要と考えられます。また保護者や教員目線でも、子どもの悩みに共感でき、悩みに詳しく解決できるような第三者の存在が必要だと思われます。

 

保護者も教員も、学校外の多様な経験や広い交友関係が必要だと感じている

【調査結果】

■将来の目標があるのは6割程度、自己肯定感や将来意識は学外活動や学外の年上の人との交流が深いほど高い

■元思春期にあたる大学生世代は、学校外の活動を「(もっと)やればよかった」と感じており、やらなかった後悔が強いと推察される

■保護者の9割が「学校以外で様々な体験・チャレンジをしてほしい」、8割が「学校の先生や友だち以外の交友関係を広げてほしい」と思っているが、いずれも半数以上が理想通りにはいっていないと感じており、出来ていない理由は「子どもの時間・金銭面・子どものやる気」が要因

■高校教員の4割が「地域に出ていくなど、学校外の活動機会をつくる・サポートする」ことを行いたいと思っているが、出来ていない理由は「時間がない(60%)」、「やり方が分からない(25%)」、「予算がおりない・おりなさそう(24%)」

家と学校とネットという限られたコミュニティで過ごす高校生世代に、保護者や教員も、地域に飛び出し、学校外の多様な経験をさせたいと考えていることが分かりました。しかし時間・金銭面・本人のやる気・やり方が分からないなどの理由で理想通りにはできていないと感じています。家庭の経済状況に関わらず、教員の多忙感を生まないかたちで、子どもたちの意欲を引き出し多様な挑戦機会を届ける方法が必要とされています。

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株式会社マクロミル・認定NPO法人カタリバ 協働調査
「2018年 思春期の実態把握調査」

全文はこちら

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調査概要

【調査の趣旨】

思春期世代の実態、および思春期世代を取り巻く環境を調査することにより、思春期世代へ向けた支援のニーズを把握する。

【調査対象】

マクロミルモニタのうち、それぞれ以下の条件を満たす者
・思春期:15-18歳 中学生・専門学生・大学生以上は除く
※有職者や学校に通っていない人を含む
・元思春期:18-25歳 高校生・高専生は除く
※有職者含む
・保護者:35-59歳 15-18歳の子供と同居している
※高校生以外の子供も含む
・教員:22-59歳 高校・高専の教員 かつ 担任、又は授業を受け持っている

【調査地域】

全国
└都市(東京、大阪、神奈川、埼玉、愛知、千葉、福岡、兵庫、京都)
※2017年人口密度上位10都道府県(沖縄県を除く)
└地方(上記以外)

【調査方法】

インターネットリサーチ

【調査期間】

事前調査:2018年7月17日(火)~7月24日(火)
本調査:2018年7月21日(土)~7月25日(水)

【有効回答数】

事前調査:56,789サンプル
本調査:3,161サンプル

【調査実施機関】

株式会社マクロミル

【本資料・データの使用・掲載について】

本資料・データを使⽤・掲載される際には、必ず下記の出典を明記してください。
「株式会社マクロミル・認定NPO法人カタリバ協働調査 2018年思春期の実態把握調査」

協働調査実施の背景

本協働調査は、株式会社マクロミルが取り組む社会貢献活動の一環としてご支援いただきました。マクロミルが取り組む社会貢献活動“Goodmill”は、「非営利組織のマーケティング・リサーチ技術支援」「災害発生時の多面的な支援活動」「社員発信の社会貢献活動」の3本を活動の軸に置いてスタート。NPOには政策提言のエビデンスを獲得するためのマーケティングリサーチ予算がないという課題点に着目し、本業を用いたプロボノ支援を行う、初の「NPO向けリサーチ支援活動」として協働調査を実施いただきました。

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<本件に関する問い合わせ>
認定特定非営利活動法人カタリバ 広報・ファンドレイジング部
MAIL:pr-fr@katariba.net
TEL:03-5327-5667
WEB:問い合わせフォーム
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