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震災の悲しみを乗り越え、「ふるさとの復興」という夢を抱くようになった少女の手紙

コラボ・スクール


2011年3月11日、東日本大震災からもうすぐ6年が経ちます。
被災した町では、「家族との別れ」や「経済的な苦境」「津波のトラウマ」などに苦しんだ子ども達もいました。

そんな中、ある放課後学校との出会いをきっかけに震災の悲しみを乗り越え、「町の復興のために本気で貢献したい」という夢を思い描いた少女がいます。

震災当時、岩手県大槌町で中学1年生だった佐々木瞳さんは、この春に念願の大学への合格を果たしました。
佐々木さんが困難から夢を切り開き、その一歩を踏み出した経緯を手紙に綴ってくれました。
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町が流されていくのを、見ていることしかできなかった

2011年3月11日。
中学1年生だった私は、大きな揺れを感じて、両親・祖父母と高台に逃げました。
高台から、自分の家が、お店が、町が、流されるのをただ見ていることしかできず、まるで映画を見ているようで、目の前の光景が信じられなかったことを覚えています。
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その後、学校が始まると、津波で亡くなった同級生2人の机にお花が置いてあって…
大変なことが起こったと、やっと実感できたのは、震災から2ヶ月近く経ってからでした。

町の復興が、「他人ごと」だった私

震災直後の私は、町の復興に対して他人事で、人前が大嫌いで、チャレンジできる人をいつも見上げているような生徒でした。
「あなたたちは大槌の希望です」そう全校集会で話す校長先生の言葉が重すぎて「自分には無理だ」と自分自身にストッパーをかけていたような気がします。
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当時の夢は、町を出て「憧れのファッション業界」で働くこと。
いつかは大槌に戻ってきたいと思っていましたが、とても漠然としたものでした。

「何かに挑戦したい!」小さな変化のきっかけは?

高校受験を意識し始めた中学3年生の春。
学校で配られたカタリバの運営するコラボ・スクールのチラシを見て、周りの友達も通うからと、なんとなく通い始めた私に、小さな変化が起こり始めました。
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問題が解けたとき、将来の夢をふと話したとき、「いいじゃん!できるよ!」と受け止め、認めてくれる存在がコラボ・スクールにはありました。

毎日熱く向き合ってくれる先生たちと接するうちに、「何かに挑戦したい」「自分を変えたい」そんな思いが自分の中で育っていました。
学校の授業で積極的に質問する、入りたかった部活に入る・・・私の小さな挑戦が始まりました。

リアルな町の課題に衝撃を受け、「大学で学びたい」と挑戦することに

挑戦の一つに、コラボ・スクールで行われた「身近な課題に対して活動を起こしてみよう」という取り組みへの参加がありました。
そこで、人口減少が進むと、近い将来、大槌がなくなってしまうかもしれないことを聞いて衝撃を受け、大好きな実家の商店を基点に、町を活性化することを思いつきました。
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近くで応援してくれるコラボ・スクールの先生たちに後押しされながら、少しずつ形にしていく中で感じたのは、リアルな町の課題と、”自分にしかできないこと”の発見でした。
活動を進めるうちに、地元に関わることの面白さを感じ始めるようになり、学ぶことが学校の授業だけではないことを知りました。
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「人々が幸せに暮らせる支えになれるよう、もっと自分の力を磨きたい」
そう思うようになった私は、慶應大学義塾大学への受験を挑戦することになりました。

「自分を信じる力」をくれたコラボ・スクール

初めは大学の名前を口に出すことも恥ずかしく、ときには自信を失くし、孤独に思うことも多かったのですが、その不安も全てコラボ・スクールが全力で受け止めてくれました。
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その度にコラボ・スクールが心の支えとなり、未来を思い続ける自分をさらに強いものにしました。
そして高校3年生の10月、思い続けた慶應大学の合格が決まりました。
今、思うことはコラボ・スクールに出会えたことは、私にとって「人生を変えるきっかけ」であり、なにより「自分を信じる力」を与えてくれた場だったのだと強く思います。
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(引用終)

「震災のせいで、夢をあきらめた」という悔しさを、子ども達に味あわせないために

生まれ育った家や学校、そして友達や家族までも。
東日本大震災は、たくさんのものを奪っていきました。
佐々木さんが通った放課後学校、コラボ・スクール。
私たち認定NPO法人カタリバが2011年7月に設立して、6年目を迎えました。
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「津波で家が流されて、十分に勉強できなかった」「震災のせいで、夢をあきらめた」ということがないよう、子どもたちの学習を指導するとともに、震災で傷ついた心のケアのため子ども達が安心して集まれる居場所を提供してきました。
これまで5年間で、3,000人以上の子ども達をサポートしてきました。

震災というつらく悲しい体験にあった子が、もしそれを乗り越えたなら、誰よりも強く優しい大人へと育つはず。
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そう考えて震災直後から教育活動を続けてきた私たちにとって、震災をバネにふるさとを想い夢を抱くようになった生徒が生まれきていることは、大きな希望です。

佐々木さんのような、「未来の復興のリーダー」をこれからも育てていくために。
今の課題は、運営資金です。

東北の、そして熊本の子ども達の「学びの場」を守るため、課題は資金

コラボ・スクールが立ち上がったのは、全国の個人や法人から寄せられた寄付。
震災から6年近くが経ち、人々の関心も風化しつつあります。

もう被災地への支援は必要ないのではないか?
そんな声も寄せられますが、現地では今も課題が残っています。

4月に発生した熊本地震に際しても、東北での経験を活かして支援活動を模索。
熊本県益城町に、同じ放課後学校を開きました
熊本勉強

震災の経験を忘れずに、そして次の世代へと活かしていくために。
東北の、そして熊本の子どもたちにできること、皆さんも考えてみてはいかがですか?

私たちカタリバは1,000円の寄付から始められる、マンスリーサポーターを募集しています。
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