CLOSE

認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

〒164-0001 東京都中野区中野5丁目15番2号

お問い合わせ

※「KATARIBA」は 認定NPO法人カタリバの登録商標です(登録5293617)

Copyright © KATARIBA All Rights Reserved.

News

熊本地震、あれから現地で起こったことと、今私たちにできること

コラボ・スクール

image1
2016年4月に起こった熊本地震。
マスコミでの報道もだんだんと少なくなっていますが、現地では今何が起こっているのでしょうか?

物資は足りている。避難所から仮設住宅へ

熊本県上益城郡益城町。 熊本地震の被害が最も大きかったこの町では、「住居倒壊率50%と」と多くの住民の家が崩れ落ちました。

今も過半数の住民が、自宅ではない避難所などでの生活を送っています。地震から月日が経ち、この町でも、徐々に平穏な日常が戻りつつあります。
全国からの温かい応援によって、4月の段階で物資は充足。 仮設住宅の建設も進み、8月中には避難生活を送る約1,200世帯が仮設住宅へ入居されることが予定されています。 徐々に平穏な暮らしが戻りつつあるなか、町の復興にとって、見過ごされている課題はないのでしょうか?
image2

自宅に「赤紙」が貼られ、家に住めなくなってしまった子どもたち

そんななか、心配されているのが子ども達の教育です。 新学期開始直後の震災は、子どもたちの新たな学校生活スタートの大きな妨げに。 学校再開まで約1ヶ月間を要したため、授業の進度も大きく遅れをとってしまいました。 多くの子どもたちが過ごすのは、狭い避難所や仮設住宅の一角。 勉強する場所は、決して十分とは言えません。

中学3年生の丸山大地さんも、自宅に「赤紙」が貼られた一人です。
image3

今は家の敷地内にある空手の道場に住んでいます。前は自分の部屋で静かに集中して勉強できたのが、今はテレビを見ている家族の横で、集中できない時もあるのですが、「テレビ消して」と言いにくいです。(中学3年生/丸山大地さん)

子どもたちは大人が考える以上に大人に気を遣っています。落ち着いて、安心して勉強できる場所と時間を確保することが求められています。
また震災のストレスで、「一人になるのが不安」「落ち着いて勉強ができない」と訴える子どもたちも。
image4

前震の時は家にいて、本震の時は車中泊をしていました。家で地震を経験したから、少しの揺れでもビクッとしてしまって、家にいるのが怖いんです。(中学3年生/礒部 晏さん)

震災や避難生活でストレスを溜めた心のケアをしていくこともこれからの課題です。

学習場所の確保と、傷ついた心のケアが課題に

image5
カタリバは、そんな被災した生徒が多い益城町内の中学校の教室で、放課後などの時間に中学1年生から3年生までの学習のサポートを開始。 自習を基本に、常駐するスタッフや地元の大学生を中心としたボランティアが、わからないところを個別に指導しています。 先ほどの礒部さんも、放課後学校に通う受験生の一人。
image6

ここでは、質問したら一対一で教えてくれるのですごく理解できて、勉強がはかどります。特に高校受験を控えた中学3年生には、「学校は1ヶ月くらい休みになっていたし、勉強のペースが遅れているのが不安です。」

という不安も。

1学期の期末試験を控えた勉強会には、数多くの生徒が詰めかけました。
image7

311の教訓を、熊本の子どもたちへ

カタリバは、2011年の東日本大震災以降、宮城県女川町・岩手県大槌町にて「コラボ・スクール」を運営してきました。
image8
3,000名(延べ)を超える子どもたちへ学習機会と居場所を提供してきた経験を活かして、熊本の子どもたちのサポートを開始しました。 東北での活動では90%以上の生徒が第一志望校に合格するなど、学習面での支援と、心のケアを行ってきました。
image9
当初は「家庭学習する場所と時間がない」「一人で勉強してもこれからのことが不安になってしまう」と心配していた先生方にも、徐々に期待が広がってきました。
image10

支援が始まって、子どもたちの表情が明るくなってきました。子どもたちは年齢が近い大学生のボランティアの方に、私たちに話す以外のこともたくさん、話したりしていて、大事なカウンセリングの場にもなってます。
この震災を言い訳に学力が落ちた、というのではなく、逆に震災に負けず頑張って勉強して学力が上がった、行きたかった高校に受かった、と言ってもらえるようにしたいです。(益城町立木山中学校 校長 永瀨善久先生)

一過性で終わらない支援のために、課題は資金

この放課後学校、少なくとも高校受験が終わる、来年3月までの支援を予定していますが、継続的な支援のための課題は資金不足だそうです。 震災直後は数多くの方が熊本へ募金を送ったものの、6月には、報道も減少。 「風化」もあり、活動資金が集まりにくい状況になっています。
image11
新学期が始まって間もない震災で、家族や生まれ育った家、あたり前の日常を失い、余震の不安や避難 生活へのストレスを抱えた子どもたち。 「震災があったから夢をあきらめた」「志望校に合格できな かった」そんな悔しさまで味わってほしくはありません。 子どもたちが悲しみを強さに変えて未来を切り拓いていけるように、私たちは活動を続けます。

あなたも熊本の、そして東北の子どもたちにできること、考えてみていただけませんか?子どもたちの「学びの場」を守るための、寄付でのご支援。 カタリバでは毎月1,000円からご支援いただく、マンスリーサポーターを募集しています。
詳しく見る