【緊急】「熊本地震子ども応援募金」へのご協力のお願い(事業担当者 今村亮より)
こんにちは。NPOカタリバの今村亮です。熊本市出身です。
熊本地震から2カ月が経とうとしています。
先日のメルマガで、代表・今村久美が熊本地震に対する想いをみなさまにお伝えしてから一カ月。本日は熊本地震の現場の様子とともに、カタリバとしての今後の支援方針・そして「熊本地震子ども応援募金」の開始についてお伝えしたいと思います。
■終わりなき余震、1,697回
「前震」と呼ばれる4月14日21:26のM6.5の地震と、「本震」と呼ばれる4月16日1:25のM7.3 の地震、この2回の地震がすべての始まりでした。
気象庁の情報によると、それ以降の地震観測は1,697回。うち震度4以上が106回。この頻度は、東日本大震災など過去の大震災を大きく上回ります。(6月9日時点)
「もしかしたら今夜も、震度7が来るかも・・・」
子どもも、大人も、老人も、熊本の誰もがこう思いながら日々を過ごしています。
■震源地・益城町、全壊率50%
カタリバは5月3日から教育ニーズの調査のために熊本へ向かい、5つの市町村(熊本市・益城町・御船町・西原村・南阿蘇村)において学校・教育委員会と協議を重ねてきました。
中でも、言葉を失ったのが最大震度7を観測した益城町でした。ぐにゃぐにゃに波を打つアスファルト、道路にはみ出すように倒壊した家屋、ひしゃげた神社、ブルーシートだらけの町並み。
調べてみると、益城町の全壊率は約50%(4月24日付熊本日日新聞)。熊本県・大分県の全域で比較したときに、圧倒的なワーストだということがわかりました。
5月6日、震災の混乱まっただ中だったあの日、なんとかお会いできた教育長は私たちに一言おっしゃいました。
「心配なのは、中学生です」
益城町では6月9日時点で、いまだ5,000人が避難生活を行っています。そのうち、約150名が中学生です。
■被災地の中学生たち
「家が被害にあって「赤紙」が貼られてしまったので、今は空手の道場に住んでいます。」
避難生活中の中学3年生・丸山 大地さんの言葉です。不自由な生活の中で、充分に勉強できずにいます。
「前は自分の部屋で静かに集中して勉強できたのが、今はテレビを見ている家族の横で、うるさくて集中できない時もあるのですが、気まずくて「テレビ消して」とは言いにくいです。地震の前は普通にやれていたことができなくなってしまったので、今までどれだけありがたかったか、と気づきました。」
被災し、仕事や生活再建に多忙を極める家族を気づかい、自分の想いには蓋をしてしまう様子が伝わってきます。
中学3年生・礒部晏さんは、自宅の被害は免れました。しかし不安は収まりません。
「前震の時は家にいて、本震の時は家の前の駐車場に車中泊していました。家で地震を経験したから、少しの揺れでもビクッとしてしまって、家にずっといるのが怖いんです。」
高校受験をどのように迎えられるかも心配しています。
「学校は1カ月くらい休みになっていたし、今も授業時間が少なくなっているので、勉強のペースが遅れているのが不安です。高校に行く頃には、「地震が怖い」という気持ちをなくして、普通に日常生活を送りたいです。」
余震の恐怖で眠れない夜、
待ってはくれない高校受験、
疲弊していく家族への気づかい・・・。
中学生たちは想像以上に重い負担を抱えながら、ガレキの益城町で避難生活を続けています。
カタリバは、益城町を支援することに決めました。
■益城町での居場所づくりの出発
「悲しみから強さへ」という宮城県女川町・岩手県大槌町のコラボ・スクールの支援の在り方を、これからの益城町でかたちにしていくことが目的です。
益城町には2つの中学校があります。カタリバはニーズ調査と並行し、学校の放課後の教室をお借りして、避難生活中の中学生を対象とした緊急の「居場所支援」を行ってきました。両校から、毎日70名ほどの生徒が訪れました。
このたび益城町への支援が決定したことを受け、今後も放課後の居場所支援を継続し、学習支援を通した心のケアと未来を描いていくキャリア学習を届けていきます。この支援は2017年3月の高校受験が終了するまで、続けることを目指しています。
とはいえ、いまだ資金的な裏づけはなく、国や県からも援助を受けられる見込みはありません。
しかし、資金の目処が立つのを待っていては手遅れです。目の前にいる益城町の子どもたちには、今すぐ、心のケアと学習の支えが必要です。子どもたちの時間は待ってはくれません。それは私たちが、東日本大震災の経験から学んだことです。
頼りにできるのは、みなさまからお寄せいただくご支援です。カタリバは、「熊本地震子ども応援募金」を始めました。どうかご支援をお願いします。
■「熊本地震子ども応募募金」申し込みフォームはこちら
■ご寄付についてのお問い合わせ先
認定NPO法人カタリバ
広報ファンドレイジング部(担当:藤田・川合)
電話:03-5327-5667(平日10:00〜19:00)
e-mail:kaiin@katariba.net
これから本格化するカタリバの熊本支援。
1年後、子どもたちが新しい春を前を向いて迎えられるよう、しっかりと寄り添っていきたいと思います。ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
NPOカタリバ 今村亮
(※実家は無事に復旧しました。)