【メディア掲載】『生徒指導』に掲載 ~高校生のリアル × 先輩の話~
2016年5月1日発行の教育情報雑誌『生徒指導』5月号(学事出版)に、カタリバ共同創設者・三箇山優花(みかやまゆか)執筆のコラムが掲載されました。
全12回・1年間の連載の第2回となる今回のテーマは、「先輩の話」。
三箇山はある大学教授の講演を拝聴した際、「ニートの減らし方」という問いかけに対し、教授が出した答えに強い納得感を持ったそうです。
「ニートの減らし方は、“元・ニート”をあてがうこと」
悩みや困難の中でもがいている時ほど、同じような境遇にいた人の具体的な話が、最も効果的且つ心強く響くものです。カタリ場の現場では、ボランティア・スタッフが生徒に向け、自分の実体験、特に悩みや挫折を紙芝居形式で語る「先輩の話」という時間があります。彼らのカミングアウトは、本人にしか話せない「”元・○○“による”抜け出し方“の大切な教材」となります。
ここで大切なことは、すごい人のすごい話でも、かっこいい話でもなく、高校生が「いまの自分と、少し似ているかもしれない」と、自分自身を投影できるかどうかということです。
彼らが、少し先を行く先輩の実体験に基づいた等身大の本音に触れることで、自分を客観的に見つめ、「私も、もう少し頑張れるかもしれない」という、モードチェンジのヒント、ロールモデルを見つけることをねらいとしています。
(本文より抜粋)
実際に「先輩の話」を聞いた高校生が、今まで蓋をしていた心を開く、こんな光景が現場ではよく見られます。「友達に本音を言えなかった」「周りの目を気にしていた」「頑張ることがダサいと思っていた」―。
「先輩も自分と同じだったんだ」という安心感から、素直な気持ちを吐露し始める高校生。
これからもカタリバは、一人でも多くの生徒に「先輩の話」を届けながら、彼らが主体的に一歩踏み出すのを応援する活動を続けていきます。