【対談】天童荒太著『だから人間は滅びない』に収録 ~「震災と想像力」~
2015年11月、天童荒太氏の新著『だから人間は滅びない』が発行されました。
本書は、見えにくい人々の孤立を描いてきた作家の天童氏が、現代社会を生き延びるヒントを求め、他者と「つながる」ことで社会を変えようとしている人々に話を聞いた、対談集です。
第一章「震災と想像力」の中で、カタリバ代表今村久美が天童氏と対談させていただいています。
震災を乗り越える力、人が成長していく力として、二人に共通したキーワードは「想像力」でした。
<今村>分からないことを分かろうとする興味喚起が、生存率に関わると思う。普通に生きていくと、分からないことがどんどん起きていく。その中で、分からない状況に立ち向かおうという力が想像力。
分からないものに対して挑むモチベーションって、何物にも代え難いし、学校っていうのは、そこを引き出すものだったらいいなと思う。
(中略)
<天童氏>今村さんたちの活動は、対談する前は、子どもに自分の持つ可能性を見せてあげたり広げてあげたりしているんだろうなと思っていました。でも一番は、想像力の成長を促していることだったんですね。勉強したら単に成績が上がるといったことではなく、こういうことができるようになるよ、あんなこともできるようになるよ、と伝えることで、子どもたちの想像力を広げている。
大人たちがしなきゃいけないことって、自分自身の貧困になった想像力をあらためて伸ばすと同時に、次の世代の想像力をいかに伸ばしてあげるかなんだろうな、と思います。
(記事より抜粋)
「分からない」と切り捨て、既にある自分の世界に閉じこもるのではなく、分からないことに興味を持ち、その先の世界に思いを馳せ、行動に移す。
「分からない」ことにワクワクできる、そんな若者であふれる社会の実現を、カタリバは目指しています。
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▼”つながり、群れることで、生き延びる。”
天童荒太『だから人間は滅びない』幻冬舎新書
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