【事業紹介】雲南事業、始動! 〜雲南市教育委員会と協働で行う、不登校支援と課題解決型の人材育成〜
新たなフィールドで新たな事業をスタート
カタリバは2011年の東日本大震災以降、被災地の自治体と連携を図りながら、地域が抱える課題解決に取り組んできました。そこで培った知見と経験を活かし、2015年4月から新たなフィールドにおいて、行政と協働で行う事業をスタートさせました。
今回、カタリバがパートナーを組むのは島根県雲南市教育委員会です。2011年からカタリ場プログラムの実施を通して築いてきた信頼関係から、このプロジェクトが誕生しました。
安倍内閣が2014年12月に発表した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を受け、雲南市では人口の社会増*を目指した施策に取り組んでいます。その中で、教育に携わるプロジェクトをカタリバが受託しています。今年度は不登校支援事業と、社会教育事業を担います。
不登校支援事業は、文字通り学校に通うことに困難を抱えている児童・生徒が通う教育支援センターの運営を教育委員会の下、6月より始めました。カタリバは学校や保護者、子ども家庭支援センターと連携を図りながら、学校復帰および進学(進路実現)に必要な学習・キャリア発達の両面における力を身につけた生徒を育みます。
もう一つの柱となる社会教育事業では、中学生と高校生を対象に土曜日を活用した授業を行い、地域の課題解決に向けて自ら行動を起こせる人材の育成を行います。
キーワードは「協働」と「連携」
活動の拠点となるのは、旧温泉小学校校舎。愛称は「おんせんキャンパス」です。
校庭の下には斐伊川が流れ、周りを田んぼに囲まれた自然豊かな場所です。6月に行われた開所式には教育関係をはじめ、たくさんの方においでいただき、この事業に寄せられる期待の高さに、想いを新たにしたところです。
カタリバが事業内容を考える時は、そこにある自治体や教育委員会などの機関と「協働」する姿勢を大切にしています。今回の雲南事業でも、雲南市が求めていることとカタリバがやりたいと思っていることを一緒に考え、計画し、実行していきたいと考えています。立場が違い、個々の果たすべき使命も違う人が一つの方向に向かって行くためにはたくさんのプロセスやステップを踏んでいき、意思の共有をしていくことが事業を実りあるものにする第一歩です。「協働」「連携」がキーワードとなります。一年後はどこまでの事業展開が出来ているのか楽しみです。
*人口の社会増…他地域からの転入を増やし、他地域への転出を減らすこと。