【レポート】全国高校生 MY PROJECT AWARD 2014 を開催しました!
2015年3月29日(日)「全国高校生 MY PROJECT AWARD 2014」を、バンクオブアメリカ・メリルリンチ 東京オフィスで開催しました。
地域やコミュニティの課題解決に取り組む「マイプロジェクト」に挑戦してきた高校生が、一堂に会する合宿型表彰イベント。
全国から77名の高校生が集まり、それぞれのプロジェクトを振り返って、学びと想いを言葉にし、発表しました。
今回集まったのは、58チームのエントリーから選考を勝ち抜いた35のプロジェクトチーム。
北は岩手県から南は沖縄県まで、目の前にある課題に真摯に向き合ってきました。
<プロジェクト名一覧>
Bystander プロジェクト(岩手)
地域とつくる防災プロジェクト(岩手)
お茶っこの会(岩手)
TOMOrrow project(岩手)
繋巻プロジェクト(岩手)
思いついたら即行動!!(宮城)
カコイマミライプロジェクト(宮城)
SUN!SUN!そば(宮城)
恋人チームによる活動(宮城)
俺が伝える浪江町(福島)
CONNECT(福島)
こうふく通信(福島)
Don’t forget 広野!(福島/山梨)
Girls会議〜性被害を考えよう〜(東京)
Sky port(東京)
b-labフリーペーパー製作(東京)
NEXUS project(神奈川)
ルーツ(埼玉)
群馬県高校生会議(群馬)
松葉を活用した循環型自然共生プロジェクト(静岡)
地球温暖化から産地を救う〜究極のエコ資材の開発〜(静岡)
名古屋西蒲線サミット(愛知)
戦後70年〜平和と希望を全国に〜(愛知)
KEEP CLEAN(愛知)
GMS〜岐阜の魅力を再発見〜(岐阜)
高校生団体Blue.(新潟)
1200年の想いを繋ぐ〜ほんまもんの京の伝統野菜を伝えたい〜(京都)
つながるプロジェクト(兵庫)
しゃばれ!神楽!!!(島根)
夢源塾『みらいのひかりをつなげ』プロジェクト(岡山)
つなぐハウス〜Newライフ、Newコネクト!〜(岡山)
香川の漆PRプロジェクト『麗漆社(うるわししゃ)』(香川)
Fline(福岡)
今、君と変える社会(沖縄)
ウチナー高校生から未来のためにプロジェクト(沖縄)
開会宣言は、昨年に続き審査委員長を務める鈴木寛さん(文部科学大臣補佐官)よりいただきました。
「まさに皆さんは、文字通り22世紀を創る人です。
今日は、そのはじまりのはじまり。
大樹とその集まりの森をイメージすると、皆さんはまだまだ苗木だけれども、100年、200年、500年続くと大樹になります。
皆さんも志を継いで、『志の大樹』になってほしい。
今日は、老若男女の世代を超えた、色々なナナメの関係があり、そして同世代の、北は岩手から南は沖縄まで、木の種類は違うけれど、同じようなことを考えている仲間と知り合える場です。
縁をつなぐためには、全力を尽くして讃え合うことが大切。
今日1日、そしてこれからも皆さんが素晴らしい人生を送るために、日本や世界が良くなるために、全力を尽くそう!」
最後は、掛け声とともに全員でこぶしを高く突き上げて開会。
アワードは、予選(35チーム)→準決勝(12チーム)→決勝(4チーム)のリーグ戦で進みます。
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午前中に行われた予選では、35チームが12ブロックに分かれ、予選審査員の前でプロジェクトの発表を行います。
持ち時間はプレゼン12分と質疑応答3分。
事前に念入りに準備した資料をもとに、活動の中で作り上げてきたパンフレットや映像などを用いて発表を行いました。
審査は、審査基準にもとづいた審査員による評価に加え、観覧者の大人や中高生からの投票も加味されます。
<審査基準>
①自律性(当事者意識)
②活動実績(実践/プラクティス)
③必要性(テーマの探求)
④協働性
⑤共感性
⑥創造性(クリエイティビティ)
生徒たちは、前日までの事前合宿で、この6項目に沿って自分たちの活動を振り返り、言葉にしてきました。
「震災の時、私は避難をして助かりましたが、避難をしなかったことで助からなかった方もいらっしゃいました。
避難の大切さを伝えるため、中学時代の防災授業で行った安否札を自分なりにアレンジして配布、地域の町づくり協議会や語り部の活動などの防災イベントでの呼びかけを行ってきました」
(地域とつくる防災プロジェクト)
「農家の高齢化、野菜の種の自給率が10%を切る日本で、絶滅の危機に瀕する伝統野菜が存在します。栽培、加工、食育、情報発信を行い、人々の需要を拡大することで後世に残し、新たな和食文化を世界に発信しています」
(1200年の想いを繋ぐ〜ほんまもんの今日の伝統野菜を伝えたい〜)
会場には300名近くの来場者がいらっしゃり、中には東北地方や山陰地方からの後輩中高生たちも見学に来ました。
どのチームも緊張の面持ちながら、自分たちがこれまで1つひとつ積み重ねてきた活動を伝えようと、理解してもらおうと発表します。
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予選後は、準決勝へ進む12チームの発表です。
準決勝は4ブロックに分かれ、より多くの観客の前で発表を行います。
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夕方、いよいよ決勝の部がスタート。
決勝に残ったのは4チーム。
300名近い観客の前で、自分たちがやってきた活動や、活動にかける想いをぶつけました。
「俺が伝える浪江町」
故郷を失うということに向き合って見えてきた教訓を伝える活動を展開中
「SUN!SUN!そば」
被災した塩害農地での蕎麦栽培に成功し、農地から観光地へと変え、名産品を創出
「Fline」
不登校経験者らによる不登校の生徒たちの居場所と学び場づくりを企画・実施
「カコイマミライプロジェクト」
“災害に負けない人をつくる”を掲げ、楽しく防災意識を高めるワークショップを開催
また今回のアワードの審査には、地域に根ざした活動からグローバル企業まで、営利・非営利・行政など様々なアプローチでコミュニティに貢献している34名の審査員の方々にご協力いただきました。
そして決勝審査員は、まさにマイプロジェクトを人生にしている(!)とも言える9名の方々が務めてくださいました。
<決勝審査委員>
福島太郎(メリルリンチ日本証券株式会社)
吉住直人(バーバリー・ジャパン株式会社)
鈴木寛(文部科学大臣補佐官)
岡崎エミ(東北芸術工科大学)
吉川孝介(南泉寺・築地本願寺)
宮城治男(特定非営利活動法人エティック)
向田麻衣(株式会社Lalitpur)
矢田明子(NPO法人おっちラボ)
山崎大祐(株式会社マザーハウス)
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栄えある全国58チームの頂点に輝いたのは…
SUN!SUN!そば(宮城県名取市)
Fline(福岡県福岡市)の同時受賞となりました!
SUN!SUN!そばが行っているのは、東日本大震災で塩害を受けた広大な農地を復興に活かす取り組み。
彼女たち農業高校の知見を活かしつつ、地域を巻き込んで蕎麦栽培に成功、付加価値として”魅せる農業”を考え、蕎麦の花の色を活かしたハート型農地を開墾しています。
アイデアを実らせる過程で、地域と大人を巻き込んでいった点が評価されました。
Flineは、元不登校の高校生たちによる、不登校生徒の学び場・居場所づくりを行っています。
不登校も”人生の糧”に変えていける、そうした自分たちの経験を活かし、不登校中学生の家庭訪問や、月1回の”しゃべん会”という仲間に出会える場づくりを行っています。
誰もが思いつけたはずなのに、誰もやってこなかった、そして何より信念を持って取り組んでいるという点が評価されました。
☆総合1位
SUN!SUN!そば(宮城)
Fline(福岡)
☆総合3位
カコイマミライプロジェクト(宮城)
☆総合4位
俺が伝える浪江町(福島)
▽Best Ownership Award
Don’t Forget 広野!(福島)
▽Best Practice Award
高校生団体Blue.(新潟)
▽Best Theme Award
地域とつくる防災プロジェクト(岩手)
▽Best Collaboration Award
松葉を活用した循環型自然共生プロジェクト(静岡)
▽Best Encourage Award
TOMOrrow project(岩手)
▽Best Creative Award
ウチナー高校生から未来のためにプロジェクト(沖縄)
そして激戦の書類選考を勝ち抜き、全国高校生 MY PROJECT AWARD 2014に出場したすべてのチームに「チャレンジ賞」が贈られました!
Think Globally, Act Locally.
すべての中高生の挑戦に敬意を表します。
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ここでは、後日事務局へ届いた、高校生の感想を紹介します。
「2時間と少し眠って、バンクオブアメリカ・メリルリンチでたくさんの人を見た。
『逃げ出したい』『帰りたい』という気持ちの反面、色んな方に笑顔で声掛けしてもらえたおかげで、もちろん緊張はしたけど、せめて楽しもう!と思えた。
結果、私たち2人は3回のプレゼンをすることができて、順位は1位。
驚いた、嬉しい!努力が報われた…。
でも、一番になったことより嬉しかったのは、会って間もない人たちから私たちのプロジェクトについての考えや思いを言っていただけたこと。
何というか、一生懸命話し掛けてきてくれるみんなが、きらきらして見えた。
『Fline』は、不登校経験のある高校生・大学生で活動している。それぞれに辛い過去があると思う。私だって辛かった。
…それだけで、あの不登校だった頃のことは、無駄ではなかったのだなと感じることができた。
それに、人前で話すのが苦手な私だって、自分の話を人に伝えることができるんだと気付けた。およそ240人の前で笑顔で話せた。
これも、不登校にならなかったら、仲間に出逢わなかったら、アワードに出場することを決めなかったら、『あのとき』逃げていたら、出来なかったこと。
本当に色々な方に支えられているのだと改めて思う。
そのみなさんに感謝しながら、このプロジェクトと成長して、そしてまたあの場所でプレゼンがしたい」
松本理沙さん(Fline/福岡県)
「一言で言うと『感動』でした。
全国の高校生たちがそれぞれの地域の問題を発見し、考え、悩み、行動するということ。
このエネルギーの強さに感動しました。
そして私たちのチームと、予選を通過したチームの明らかな違いも見つかりました。
それは情熱でした。
1年前に『つながるプロジェクト』を2人で始めてから、受験を挟んで、感動をすることを負担に感じ、義務のように思ってしまっていることもありました。いつの間にか、本当にしたいという情熱が薄れてしまっていたんだと思います。
しかし今回のマイプロジェクトを終えて、やっぱり『つながるプロジェクト』は必要だ、そして『つながるプロジェクト』を続けていきたい。
そう強く思い返すことができました」
長尾緑さん(つながるプロジェクト/兵庫県)
最後に、マイプロジェクト実行委員会委員長 今村久美の閉会の言葉で締めくくります。
「後輩の皆さん、来年度、マイプロジェクトにチャレンジしてみたいと思った方?
これは、皆さんが今日ここでプレゼンをして果たした、一番の功績だと思います。
私たちはここに縁があって、運良く、この場に参加できています。それは、たくさんの応援してくださった方のおかげなので、そのバトンは次に引き継いでいかなければなりません。
この会場にいる後輩たちが、やってみたいと思ってくれたのは、皆さんが今日、マイプロジェクトアワードにチャレンジした成果です。
私は、マイプロジェクトというのは人生そのものだと思っています。
今回は、事を成したということに対してのプレゼンテーションアワードだったけれども、マイプロジェクトは人生のスタンスであるべきだと考えています。
私自身、『1人でも多くの高校生たちがチャレンジをしたいと意欲を持てる社会にしたい』と考えて、15年間マイプロジェクトをやり続け、今日ここで皆さんに集まっていただいたという気分です。
ここでプレゼンテーションをしたプロジェクトをずっとやり続けてほしい、ということではありません。
大学生になる皆さんは、新しい自分に出会ってください。
高校生で受験を迎える皆さんは、受験勉強に集中して、それをマイプロジェクトにしていってください。
そうして、マイプロジェクトを人生のスタンスにしてほしいと願っています」
“はじまりのはじまり”
志を持つ高校生同士、そして応援する大人たちが出会い、励まし合う場となったこの日。
それぞれのプロジェクトにエールと勇気をもらい、全国高校生 MY PROJECT AWARD 2014が閉幕しました。