震災の記憶を、風化させないために 〜高校生たちがプロジェクトを始めました!〜
こんにちは、NPOカタリバ山内です。
昨日3月7日に、コラボ・スクールの中3生たちの多くが、
高校入試の本番を迎えました。「全員合格!」を願って・・
皆さまも温かくお見守りいただければ幸いです。
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さて、同じ昨日に日本テレビ「NEWS ZERO」で、
コラボ・スクールを紹介いただきました。
1年前に受験に挑み、大槌臨学舎「中学の部」を卒業した
高校1年生たちが始めた、町の復興への取り組みについてです。
「どんなに立派な石碑や像をたてても、
時代とともに震災の記憶は風化してしまう。
だから僕は4年ごとに建て替える木碑に住民の思いを刻み込み、
立て替えという文化を創って、震災の記憶を残したい。」
震災の記憶を後世の人たちに残したいと
「3.11復興木碑設置プロジェクト」を立ち上げた
吉田優作君のチャレンジを、今号では紹介します。
▼ ご寄付を募集しています! ▼
「3.11復興木碑設置プロジェクト」(吉田優作)
http://www.collabo-school.net/myproject/yoshida.html
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「3・11 向き合う高校生」
1月21日の岩手日報に、こんな見出しとともに
臨学舎に通う高校1年生たちが紹介されました。
「震災の記憶を風化させないために、何ができるか?」
このテーマに、高校生たち4人が交流会を開き、
大槌町の住民たちと語り合った様子です。
臨学舎では、「町の復興のために、私たちもできることをしたい!」
と立ち上がった高校1年生たちの想いを具体的な行動に移すため、
「My Project(マイプロジェクト)」という学習プログラムを実施。
彼らが復興に向けた地域の課題を設定し、
解決策を提案して実行するまでをサポートしています。
この交流会もその一環として、生徒たちが主体となって開催しました。
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この会をリーダーとして企画したのが、吉田優作君です。
中学2年生の春に震災を経験した優作君は
沿岸部にあった家も津波で流されました。
今は仮設住宅に、両親と弟2人の家族5人で住んでいます。
中学の時から続けている柔道部にも所属する、高校1年生です。
「初めの1ヶ月は、しんどかった・・」
今から2年前、東日本大震災の直後は、
「自分より悲しい人がいるんだから、悲しくない」と
自分に言い聞かせ、皆で集まってつらいことも忘れ、
精神的なつらさを乗り越えたそうです。
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勉強の遅れを取り戻そうと大槌臨学舎に通い、
高校に合格した後、彼が抱くようになったのは、
「支援されるだけを卒業して、支援する側にまわりたい」
という想いでした。
高齢者の介護施設でボランティアをしたり、
冒頭で紹介したお茶会を開いたりなど。
身近にできるところから行動を始めて、さまざまな大人と
出会い交流するなかで彼が抱くようになった問題意識が、
「震災の記憶を、後世の子どもたちに残したい」ということです
「100年後、1000年後、また大地震・大津波が発生した時に
その時代の人たちが今の自分たちのようにつらくて、
悲しい思いをしてほしくないと思い自分に何ができるのだろうかと
考えたときに、なにか形に残さないと思いは伝わらないと考えました。」
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語り継いでいくのは大切だけど、とても難しいこと。
そして、今生まれて来た子どもたちは、震災を知らないということ。
津波や地震を経験したその当時の人たちが思いを残そうとしても
石碑だと時代とともに風化していく可能性があるということ。
そこで生まれたのが、「木碑」(木の碑)を立てて
立てた4年後に新しい木碑と取り換えることで、
未来の人たちに自分たちが経験した思いを伝えるというアイデア。
「3.11復興木碑設置プロジェクト」です。
このような想いのもと、動き出した優作君のプロジェクト。
続きは、次号以降でお届けします。
ぜひ皆さまも応援ください!
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「3.11復興木碑設置プロジェクト」(吉田優作)