学校に教員以外の専門家を配置していくということ[代表のつぶやき]
自分の中学生の時の話。振り返ると、学校の「先生」に恵まれて育ってきたんだとおもう。
先日の中教審総会で、教員の処遇改善、定数改善など、特別部会が出した方針案を踏まえ議論をした。
残業代が出ない学校の先生たちに、給与の上乗せ10%調整額を支払うこと、これはやらないよりはやった方がいい。だけど、個々に配る数万円の増額と同時に、場合によっては増額よりも、専門家配置の充実の方が、優先度が高いようにもおもう。
教員ではない専門家が”しっかり”入ることによって、先生がやらなくてもいいことの線引きができる。事務スタッフ、スクールカウンセラーやSSW、法律家や外部リソースコーディネーターなどを、できれば(オンライン対応も込みで)常勤配置すること。
ただし地方には人が足らない。だから、専門家は学校にずっと出勤していなくてもオンライン込みでもいいとしたい。時に対面で職員室で先生たちとチームビルディングしつつ、日常的にチャットツールなどで気軽にやり取りできるツール整備をすれば、実質的に常勤状態に近い状態を作れるのではないかとも思う。
高いコンプライアンスが求められる時代。学校に寄せられる多様な説明責任。保護者のクレーム。EBPM(※)のためのアンケートなどの事務。子どもと向き合うより、それ以外の仕事に、心身を消耗されると聞く。
先生たちが、時間の使い方に自由裁量権を持ち、子どもたちに集中できる。そして、職員室は対話的に、余裕を持って楽しく仕事ができる。
この記事に出てくる恩師からは、昔はそういう環境だったと聞いた。生徒たちに徹底的にいじめられたような状態で鬱症状が出た別のクラスの20代の若い先生を、学年の教員集団みんなで支えたと話していた。
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生徒のために、先生たちが育っていくための余裕をつくるにはどうしたらいいか。審議会議論に影響力を持ちきれない私の実力不足もふくめ、どうも後味が悪い。
(※)EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)…政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすること。