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能登半島豪雨で被災した輪島市でボランティアを募集[代表のつぶやき]

vol.343Voice

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category #代表のつぶやき

writer 今村 久美

てんやわんやで報告できていなかったのですが・・能登半島豪雨の後、カタリバチームは被害の大きかった輪島市内で3つの支援活動を行っています。

1,こんな時だからこそのこどもの居場所運営(特に復旧作業や捜索活動をなさる家庭の子どもたち)
2,輪島のティーンの大事な居場所であり、学校医もなさる詩さん友行さんの「ごちゃまるクリニック」の復旧応援
3,民間ボランティアセンター「まちなじボラセン」の立ち上げ

私自身は3の「まちなじボラセン」を、地域の方々をサポートしながら垂直立ち上げをしています。
※ボランティアの申し込みはこちら

町野・南志見というエリアは、輪島の市街地からかなり離れたボラセン空白地帯です。しかし今回の豪雨では、もしかすると一番甚大な被害をうけたといっても過言ではないかもしれません。
ボラセン界隈を知る人達にとっては、ボラセンは社会福祉協議会の仕事でしょ、という認識がある方もいらっしゃるかと思いますが、社協の方々にもくたくた・・もう限界まで頑張ってこられています。

輪島市はとても広く、また重なる災害によって道も限られているため、社会福祉協議会がある市街地エリアと町野地区は車で1時間かかり、ニーズが上がりづらいという課題もあります。

行政の会議では「町野にはボランティア二ーズは数件しかない」とも報告されていました。しかし町を見渡せばニーズがないわけがないことは一目瞭然・・、住民同士では、「〇〇さんのおうちを手伝わなきゃ」「△△さんの畑がたいへんだ」など、困り感を把握しあっていました。ただ、行政や社協窓口に「ボランティアに『手伝って』」と申し出るという選択肢を知らないのが現実です。泥が入ってしまった状態をみて途方に暮れてしまっている人も。

カタリバチームは、町野に入り、地域の頑張ってる若い人たち「町野復興プロジェクト」の方々と語り合いながら、彼らを全面バックアップする形で、住民中心の手作りボランティアセンターを立ちあげました。

まず、住民同士があちこち声を掛け合って、自分でやらなきゃと思っている方々に「一緒にやろう」と声をかけ、そのニーズを一覧にします。同時に、「ボランティアに行くよ!」と住民や私たちにバラバラにお声がけいただいた方々に統一のフォームに書き込んでもらい、人材の一元化を行いました。そして、双方のマッチングを行います。

こう書いてみると一般的なボラセンですが・・住民同士だからこそ声を掛け合えるということ、また全国に呼びかけができるカタリバチームだからこその連携で、なんとか2か月後には「豪雨前の気持ちに戻れる地域にしよう」と誓いあいました。

はじまった直後から、たくさんの住居や、学校、医療機関や商店など、泥出しをしていますが、まだまだぜんぜん足りません。3日前に作業をしたおうちでは、肺気腫を抱えながらも「仮設住宅にうつるまでは」と、泥が入った自宅に咳をしながら住んでいるお年寄りとも出会いました。

こういった声は、復旧後も長期的な見守りが必要です。私たちの取組は民間ボラセンですが、社協のボラセンと同じニーズ把握シートを使い、報告書も社協と同じフォーマットにして報告を行います。
そうすることで、これまで目が行き届かなかった社協の長期的な福祉的サポートにもつなげていただけることも期待しています。(これって、まさにいわゆるコレクティブインパクトでは?と思ったりしています)

この災害を通じて、行政や社協の得意とすることと、住民や私たちNPOなど民間が得意とすることをそれぞれで行いながらも協働する、古くて新しい協働のチャレンジにもなると感じています。

ということで・・長くなりましたが地震に続き復興を続ける能登には、まだまだ支援が必要です。
企業で、学校で、友人、個人で、ボランティアに来ていただける方、大募集です。
※ボランティアの申し込みはこちら

行きたいけど来れない、そんな皆さんはシェアだけでもとてもとても嬉しいです。

Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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