学童保育の拡充に向けて「こども家庭庁」がすべきこと[代表のつぶやき]
https://news.yahoo.co.jp/articles/19c49a97f38333acdaa80dd3c9098cb6aeec2fd3
もちろん、現場の怠慢で命を落とすようなことは絶対にあってはならないし、今回小さな子が、プールで本当に辛かっただろうな苦しかっただろうなと思うと、考えるだけでも震える。
だけど、このまま現場にのみ努力を求めたとしても、マニュアル整備するのも大変だし、救急救命に明るいスタッフもいないし、その他余裕もないしで、「プール遊びのみならず、少しリスクを取った外遊びも全部やめて、屋内と園庭の中だけで子どもを管理しましょう」という判断をする現場が増えるのではないか。
お金が払える家庭は、高額な民間学童やサマースクールに子どもを預けられるけど、それが無理な場合は子どもはずっと家にいることになる。小さな子がずっといると親は働けないから、学童はとても大切な社会インフラとしての役割を果たしている。そして学童は、少子化対策そのもの。「子どもひとりでもこんなに大変」と思う家庭にとって、二人目、三人目とは考えられないと思う。
学童は学校と違って、この場所に来る来ないに義務付けがないから、全体での避難訓練も難しいし、保護者とのやり取りもアナログなケースも多い。そしてリスク管理はプール事故だけではなく、激甚災害への備え、交通事故、スタッフによる非モラルな事件、熱中症対応、いじめ、希死念慮があったら?親が怒鳴り込んできたら?LGBTQのお子さんに対する配慮は?など……考えるだけでも多数あり、どれも優先順位が高い。それらを考えるには組織に余裕が必要で、備えを企画する人も、準備の時間も、スタッフへの周知も必要。
マニュアル・訓練もそうだけど、現実に照らしたスタッフ体制の充実もあわせて、こども家庭庁主導で、次年度予算取りを頑張って欲しい。
いま、競争入札やプロポーザル型の公設民営学童も増えてるけど、公務員の人たちが直接運営していたときよりも予算が減って、新設学童は遊ぶ場所も小さくなってるというケースも聞く。いいプレイヤーが参入したいと思える仕事にしないと、引き受けてくれるところが見つからない、もしくは劣化した現場が増えてしまう、そんなことにならなければいいなと願う。