熱意ある誰もが子どもたちに伴走できる未来を目指して[代表のつぶやき]
5月15日(日)・16日(月)は年に一度のNPOカタリバ全社会議、220名で対話しました。
「全社」とはいえ、参加者の70名ほどは職員雇用した人たちではありません。最近増えた兼業プロジェクトパートナーの人たちや、またクライアントでもありながら同志的な仲間(例えば行政の人や学校の先生たち)、地域で10代のサードプレイスを起業した同業の仲間など、様々な方々が集いました。
2022全社会議1日目の集合写真。
昨年の全社会議で、私は私たちの存在を次のように定義しました。
「私たちカタリバチームは、全員、実践を通じた研究者。目の前の子どもたちのために取り組みながら、目の前にいない、カタリバがない地域に住む子どもたちに思いをはせよう。学校の先生や地域の方、そして専門家などと、一緒に汗をかいて現実を共有し、一緒に現場を作ることを通じて見えてくる悪戦苦闘の中で見出した、知恵や課題、関わりのセオリーを、同じ志の起業家に伝達していくことを使命として、仕事をしよう。」
そんな感じです。今年は、スタートに全員がこの1年、どんな問いを立てて仕事をしてきたか、発表し語り合うことからはじめました。
そして、カタリバの寄付者としてずっと応援をしていただいてきた山口 周さんにおいでいただき、この時代の読み方と私たちの果たすべき役割を、周さんの視点から語っていただきました。
2日目は、事業の現在地に戻り、最後は、一人ひとりが自分自身を生きていく上で、今している仕事とどう向き合うか言語化し、語り合いました。
個人的に、山口周さんのお話で、ひとつ忘れていたことを思い出しました。
Linux、今やアンドロイドにも使われる世界最高峰のOSですが、もともとはリーナス・トーバルズというコンピューター好きのフィンランドの方がつくったもの。コードを書いて、ネットにそれをあげると、世界中の匿名プログラマーがよってたかって参加して、改良。リーナスさんはとうの昔に権利を放棄していますが、これまで2万人以上参加し、今でも改良が続いているそうです。
2万人のプログラマーは利益の出る仕事を他でやっており、生活には困りません。だから、Linuxの開発は、みんな好きでやってる、趣味の延長。
20年前、このLinuxの在り方にかなりロマンを感じたことを覚えています。教育だって、教員免許を持った人がフルタイムで働かなくても、知恵のある誰かが、世界中から参加して、子どもたちに伴走する形があるのではないか。
教え方や教材、そういったツールも、教科書検定を受けなくても、子どもの学びにつながるものがボコボコ開発される時が来るのでは?
大事なのは、実は検索すれば済むことを何時間もかけて教えるかよりも、子どもたちの心が動く機会を何回つくれるか、その結果の方が大事だ。そんなことを、立ち上げ当初、よく語り合っていました。
気づいたらあれから20年の2022年、技術的にもそんな未来が、現実味を帯びてきています。この、情熱あふれるみんなが、もっと自信と誇りを持って、ただの夢ではない現実を形にしていけるように、私の立場からできることを今年もちゃんとやろうと思える全社会議でした。
▼全社会議Day1レポートはこちら
https://note.com/katariba/n/ne2e94b4ab670