少年法厳罰化は、本当に抑止力になるのか[代表のつぶやき]
事件を起こした18、19歳の厳罰化を図る少年法改正案が、衆院本会議で可決されました。20歳以上と同様の刑事手続きを取る事件が拡大され、起訴後は実名報道も解禁するそうです。
18、19歳厳罰化、衆院を通過(共同通信)
この件について、「少年法厳罰化は抑止力になるはずだ」という賛成の声を多く目にするのですが、本当にその効果はあるといい切れるのでしょうか。
実名報道が可能な成人を含む犯罪の再犯者率は、2019年度には48.8%(※)にのぼるとも言われています。
再犯の理由は、当事者の声から聞く想像の範囲を超えませんが、「自分が犯罪者だったとまわりの人が気づいてしまうかもしれない」という恐怖心や自らをラベリングしてしまうことで、人との距離感をうまくとれず、自立して人生をやりなおしていこうとする過程で、良きネットワークに繋がる前に痛みをわかってはくれるけども裏社会の安直な道に繋がってしまい、そこに引きずり込まれる人もいます。
起訴後、ネット上に犯罪歴が実名とともに残るという消せないデジタルスタンプは、人生の再チャレンジにとって、とても大きなハンデになります。
保護され、少年院で愛情をかけてもらえることを知り、育て直しの教育の中で、変わっていける人もいます。
誰からも受け入れられず話を聞いてもらえなかった子が、愛情をかけてもらいながら倫理感を覚え、寄り添ってもらい、変わっていく。そんな子どもたちがいるはずです。
早い段階で「犯罪者」という烙印をデジタル上に置かない施策を求めます。
※令和元年版 犯罪白書(法務省)