日本全国が被災地に。東日本大震災から培ってきたノウハウを全国の小中高生にー。[代表のつぶやき]
全国一斉休校の要請期間が始まって2日目。日本の学校教育史上初の要請は、大小の混乱を招きつつも、日本社会のターニングポイントを教育から創っていくきっかけ、とも言えるかもしれない。
9年前のちょうどこの時期に発生した東日本大震災をはじめ、子どもたちにとっての「あたり前の日常」が一瞬にして崩れ去る瞬間、重要で貴重な尊い犠牲を払いつつも、新しい学びのカタチやコミュニティの広がり、協働の進化など様々なものが模索の中でアップデートされてきた。手探りながらもとにかく知恵を出し合い、「やってみること」で経験学習としてノウハウや知見がたまっていった。
私がインターネットの可能性に魅了されて村井純さん(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科委員長兼慶應義塾大学環境情報学部教授)のインターネットの研究室に思わず入った(で落第生になった)のは20年前。
岐阜県高山市から出てきたばかりの田舎者の私にとって、「どんな環境に生まれ育っても、遠くの人とつながれて、自分も情報の発信者にだってなれる」という、今では当たり前になってるそこが、泣けるくらいの感動ポイントだった。とはいえ当時は、技術的にはISDNでも新しい頃で、携帯で写真を送るのだって目新しかった。
でも今は2020年。カタリバの各拠点でも子どもたちの支援活動をどこまでオンラインに切り替えられるか、挑んでいる。こんなにもオンラインでできることいっぱいあるんだと、社内SNSでみんなから送られてくる写真に毎回感動させられる。
私達の運営するような居場所を閉鎖すると起きるのは、家族との関係性に何らか課題がある子どもたちが家族との関係性に閉じ込められるということ。また、家だけに閉じこもってなんていたくないから、リスクも伴う関係性の世界につながりやすくなってしまうということ。オンラインには、やっぱり限界もあると今回だからこそ思い知り、行政に許されるぎりぎりのところで家庭アウトリーチや、SNSでの声掛けを続けるチームもある。
これまでの支援活動で培った経験やスキルを次の局面でどう活かすか。どう結びつけ、具現化していくか。そこには平時では生まれないエネルギーと結束が生まれる。ピンチはチャンス。限られた条件の中で、みんなで知恵とネットワークを駆使して取り組めるこの組織と関わる仲間の存在を、心から誇りに思える、最近です。