ラスト![代表のつぶやき]
地元 (岐阜県高山市) の高校を卒業して、関東の大学に行きました。そこで出会った人たちは、いろんなことを知っていて、洗練されて見えました。同時に「環境的特権」の中で生きる人たちにも見えて、表現し難いモヤモヤと憧れが私の中に複雑に同居しました。
「努力をしようともしない奴らはクソだ」。飲み会での誰かの発言にカチンときました。あなたが身につけた知力や能力は、自分で手に入れたわけ?何にでもポジティブに努力を楽しめるのはもちろん素晴らしいけど、それは「特権」によって育まれた能力ではないの。受けてきた教育投資に対する彼の無自覚さは、親に愛される経験すらしたことがない人がこの世の中にはいるんだということをきっと気づけない。
そして、この頭のいい人たちがこの感性のままで社会のシステムをつくる側になっていくのだろうと思ったとき、それは私のひそかな怒りとなりました。これが教育に「対話とナナメの関係」を提案していこうと思った私の原動力です。来年で二十年目となります。まだまだです。
半年間、一度でも私の駄文を見つけていただいた皆さま、本当にありがとうございました。
NPOカタリバはこれからも、この社会の片隅でくすぶっている子どもたちの意欲と創造性に灯をともす仕事をし続けます。
(2019年12月26日中日新聞掲載)
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