「教育」から「伴走」へ[代表のつぶやき]
大学一年生の鈴木日菜子さんは私と同郷の岐阜県高山市出身。
「なにもない田舎でも、おもしろい人はいる。高校生が学校を飛び出してチャレンジできる機会を高山につくりたい」と、市役所に提案し、「高校生会議」を企画した。彼女の卒業後も、地元でこの会議は続いている。
SNS・スマホ・5G…。紙に印刷された時点で情報は古くなり、「正解」は常に更新され続ける社会になった。大人が子どもに正解を教え育てる「教育」から、子どもの気づきを大人が支え育む「伴走」に切り替えるときが来ている。日菜子さんのような「やってみたい」という意欲を育み、「やってみた」経験を学びに変える支援こそ、大人の役割なのではないだろうか。
私たちはそんな学びの形を「マイプロジェク ト」と名付けた。育みたいのは、問いを立て、学び続けられる自律した学習者だ。日菜子さんは大学入学後の東京で、外国籍の方々との交流会を企画した。 高山の「高校生会議」は四十人を集めたが、東京では十人にも満たなかった。地元で自分を裏で支えてくれていた大人たちへの感謝をいま、あらためて実感しつつ、挑戦し続ける。
高校生の発表と、教員の勉強会を兼ねたマイプ ロジェクトアワードを十二月中旬から全国で順次開催する。詳細は「全国高校生マイプロジェクト」サイトで。
(2019年12月5日中日新聞掲載)