頑張れたのは3日間[代表のつぶやき]
台風15号による千葉の被害が時の経過とともにニュースで取り上げられ、いつもの台風くらいだろうと軽く見ていた自分の想像力のなさを恥じた。いま、千葉県南部地域へ向かっている。
私たちNPOカタリバの重要な仕事の一つが、災害後の子どもたちの支援。日々刻々と変わり続ける被災地の状況は、現地に行かないと分からず、被災者のニーズも見えてこない。停電と断水が長く続くと、心身ともに苦しくな る。
「『頑張ろう』が続けられたのは三日間でした」。千葉県内のとある児童養護施設の職員によると、冷蔵庫も冷房も電源が切れた蒸し暑い施設で、シャワーも浴びられずに過ごせたのは三日間だった。これ以上は危険だと、職員たちは個別に子どもたちを自分の家に連れて帰り、インフラが復旧するまで子どもたちはそれぞれの家で過ごしたという。
「できることはありますか」と聞くと、返ってきた言葉は「平穏な日常が復旧することを祈るだけ。子どもたちを安心に見守れるのは、信頼関係ができている職員だけです」。回答からは大きな疲労感と張り詰めた緊張感が伝わってきた。
千葉県内では、まだ多くの世帯で停電が続く。もう限界という声も聞く。
できることは少ないけど、こうも毎年起こる自然災害にどう備えるか。常に現場で考え続けたい。
(2019年9月19日中日新聞夕刊掲載)
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