第三の居場所ー中日新聞コラム「紙つぶて」より[代表のつぶやき]
私たちの活動の一つとして、貧困を含む環境ハンディのある十代の子どもたちのために、学校でも家でもない放課後に帰れる第三の居場所を提供しています。
人口が多い都市部で、誰でも来られるようにすると、本当に必要な子に機会が届かなくなります。 そこで、行政や学校に必要としている子どもを判断してもらい、利用登録してもらう方法をとっています。
学生に教えてもらえる勉強部屋や、地域の人による夕食会、リビングで囲むボードゲーム、長期休暇にみんなで遠出してのバ ーベキューなど、毎日、にぎわっています。
六歳の男の子を育てる母親でもある私は、仕事の何倍も思い通りにならないのが子育てだと痛感しています。
虐待報道を見るたびに、被害者の子どもを思うと、涙が出ますが、同時に加害者になってしまった親に何があったのかと思い、胸が苦しくなります。先日も、幼い子どもを虐待死させた母親の公開された写真を見て、まだ若い子どものような彼女に絶句しました。どんな事件でも、加害者は元被害者であることも少なくありません。
家庭で足りない愛情は別の仕掛けで補えるような、どんな環境で育った子どもも得られる愛情の総量は一定以上になるような、そんな社会にするにはどうしたらいいのか。簡単ではありませんが、地道に取り組みます。
(2019年8月8日中日新聞夕刊掲載)