ナナメの関係と教育ー中日新聞コラム「紙つぶて」より[代表のつぶやき]
少子化が止まりません。東北地方ではこの十年で、一学年で25%も子どもが減った地域があります。
そもそも、ぎりぎり徒歩圏内に学校がある場所でも少子化が進むのに、学校の統廃合で居住地から遠く離れた学校に通わなければならないようになれば、もっと進む懸念があります。バスなどで通学できるかもしれませんが、子どもの教育は学校だけが担うのでなく、地域社会で出会う他者との関係も大事。
親や先生との関係がタテの関係なら友人が横の関係。 利害関係のない第三者との関係をナナメの関係と呼んでいます。
ナナメの関係の大人やお兄さん、お姉さんは、時には子どもたちの憧れの対象になり、心が折れそうなときの支えになり、そして子どもの頑張ろうという気持ちにつながります。そう考えると、 地域社会と学校は近くになければなりません。
どんなに小規模になっても徒歩圏内の学校で学べる仕組みをつくれないでしょうか。学校に全教科の教員がいなくても、今はネットを利用すれば学習できます。 例えば、生徒個別に学習計画をつくり、教員は子どもたちの伴走役を務めるとか、教員の役割も見直しようがあるかもしれません。
SNSで同質性の高い人間関係に多くの時間を使う子どもたちだからこそ、地域社会の中でつくるリアルな人間関係をせめて学齢期には持たせてあげたいと願います。
(2019年7月11日中日新聞夕刊掲載)