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TikTok Japan×カタリバ特別企画第1弾。全国の高校生と「オンラインの“こどもの居場所”」について考えるイベントを開催!

vol.303Report

カタリバが運営する、全国の高校生が地域・学校の枠を超えて学び合うオンラインサービス「カタリバオンライン for Teens」では、”企業とともに学ぶ場をつくりたい”という想いから、企業との連携企画をスタート。高校生にとっては普段出会えない大人と出会い、対話をすることで、自分の可能性を広げる場として、企業にとっては自社の未来やサービスについて将来を担う世代とともに考え、創っていく機会として、様々なコラボレーションに取り組んでいます。

今回は、ショートムービープラットフォーム「TikTok」を運営するTikTok Japanとの共同企画プログラムを開催。現在、TikTok JapanではNPOや専門家とともに、TikTokというプラットフォームが、子ども・若者にとって自らの声を社会に届けられる安全な“居場所”になるための取り組みを進めており、その一環として、カタリバとの連携が実現。連携企画第1弾として、カタリバオンラインの高校生たちが「サードプレイス(家でも学校でもない第三の場所)」について同世代や専門家とともに学び、考えるイベントを実施しました。

ゲストには、こども家庭庁「こども家庭審議会こどもの居場所部会」委員を務める社会活動家の湯浅誠さん(以下、湯浅さん)、TikTokクリエイターの関戸かのんさん(以下、関戸さん)を迎え、理想の「サードプレイス(家でも学校でもない第三の場所)」とはどんな場所か、そこで一人ひとりが自分らしくいられるためにはどんなことができるのかなどについて、中高生と一緒に考えました。本記事では、当日のイベントの様子をレポートします。

私らしくいられる居場所とは?社会の動きを専門家から学ぶ

イベントは、TikTok渋谷ヒカリエオフィスにて開催。オンラインとのハイブリッド開催により、全国の様々な場所から中高生が集まりました。

学生たちは、「普段は会えない、違うところに住んでいる人たちといろんな話ができそうでワクワクしている」「年代の異なる人と会話できるので、それぞれの立場から意見が出てくるのが楽しみ」など、みなさん前向きな気持ちで参加してくれている様子でした。

まず、一つ目のテーマトークとして、TikTokの現在の取り組みやサードプレイスの価値についてTikTok Japan公共政策本部 公共政策マネージャーの金子陽子さん(以下、金子さん)にお話いただきました。

TikTokは、モバイル向けショートムービープラットフォームとして、150の国と地域で展開されており、以前は歌や踊りなどのエンタメ動画がメインコンテンツでしたが、現在はコンテンツが多様化し、自分の悩みを打ち明けたり、自己表現をしたりすることができる場へと変化しているとのこと。

金子さん:TikTokが若者の第三の居場所のひとつになってきていることを受けて、さらに安心で安全なサードプレイスであるための取り組みとして、今回のイベントのような企画やキャンペーンを実施しています」

さらに、こども家庭庁「こども家庭審議会こどもの居場所部」の委員ほか、特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長を務める湯浅さんより、「そもそも “居場所” とは何か」についてお話いただきました。

湯浅さん:「こども食堂で、子どもたちが普段出ないような力を発揮できるときがあり、それは “居場所の力” だと感じています。なぜなら居場所とは、自分が見てもらえている・受け止められている・尊重されている・つながっていると感じられる関係性のある場所のことだからです」

また、居場所は1つではなく複数あることが大切で、多くの居場所で受け入れられている・認められているという感覚が、自己肯定感を高めるという研究もあるそう。最後はこのような言葉で締めくくりました。

湯浅さん:「これから社会が目指すしていくべきことは、 “どんな人でも少なくとも1つの居場所をもつこと” と、 “できるだけ多くの人が、できるだけ多くの居場所をもつこと” 。これからさらに生きやすい社会になるように、みなさんもそれぞれの持ち場で、今日話したサードプレイスを広げていきましょう」

サードプレイスについて理解を深めたところで、グループに分かれて「私が “私らしさ” を失うとき、感じられるときって、どんなとき?」というテーマでディスカッションを行いました。実際に学生たちからは、このような意見が上がりました。

【私らしさを感じるとき】
・ 誰かに夢を認められたとき
・ 自分の個性を認められたとき
・ 自分が好きなことに対して肯定的な反応が見られたとき
・ 自分のことを好きでいられるとき

【自分らしさを失うとき】
・ 欠点を指摘され、否定されたとき
・ 誰かの型にはめられ、それを強制されたとき
・ 周りの人の反応が気になって自分の意見が言えないとき

また、実際に居場所を見失っていた経験のある学生からは、こんなエピソードが。

「保健室に行くようになってから、少しずつ自己開示できるようになりました。それは、保健室の先生が私を受け入れて、話しやすい雰囲気を作ってくれたから、一歩が踏み出せたんだと思います」

ディスカッションをしながら自分らしさと向き合い、お互いに認め合い受け入れることで、それが相乗効果となり、なかなか人に打ち明けられなかった話が互いに引き出されている様子でした。

TikTokクリエイターの経験をヒントに “理想のサードプレイス” を考える

二つ目のテーマトークとして、ゲストにTikTokクリエイターの関戸さんをお呼びし、TikTokを始めた理由や、関戸さんにとってサードプレイスとは何かを伺いました。

女優やモデルになりたいと思っていた関戸さんは、事務所の勧めで5年ほど前からTikTokをスタート。

関戸さん:「学生時代に投稿していた動画は、学校でボッチ飯をするというショートムービーでした。当時は学校に居場所がなく、1人で過ごすことを恥ずかしいと思っていましたが、TikTokユーザーから『応援してるよ』とコメントしてもらえて、 “自分が望む生き方をしていいんだ” と思えるようになりました

当時は周囲と比べられて「出来損ないだ」と言われ、いつも家のクローゼットに閉じこもっていたこともあったそう。そのとき「ここには居場所がない」と感じ、地元を離れ、知り合いのいない高校への進学を決めたと、目に涙を浮かべながら話してくれました。

しかし、高校へ行っても人と関わることへの不安は拭えず、一人で過ごしていたと関戸さんは語ります。

関戸さん:「TikiTokが自分の居場所でした。新しい挑戦をするのは不安もあったけど、今思うとたくさんの方が見てくれて、こういったイベントに呼んでいただけて、自分の居場所がどんどん増えていくような感覚があります」

これまで居場所を探し求めてきた関戸さんにとって、サードプレイスとは何か伺うと、目を輝かせながら話してくれました。

関戸さん:「今でも居場所を探していて、居場所は変化していくものだと思っています。高校生のときはTikTokが自分の居場所だったけど、今は他の場所にも居心地の良さを感じています。それは、新しくやりたいことが見つかったから。一人で居場所がなくて苦しかったとき、映画を見て感動していた経験から、今は映像制作など人に感動を届ける作り手になりたいと思っています」

関戸さんの話を受けて、学生たちは時折涙を流し、深く頷きながら話に聞き入っている様子でした。

実際に、ある学生からは「自分も家に居場所がない時期があり、そこから逃げたから見えてきたものがあった。居場所が見つからず、自ら命を絶ってしまう人もいるけど、気軽に逃げられるような場所がもっと増えていくといいなと思った」というコメントがありました。

最後のディスカッションでは、「私たちにとって理想のサードプレイスとは?」について話し合い、学生からはこのような意見が出てきました。

・ SNSに否定的だったけど、TikiTokを始め、認めてもらえる新しい居場所だと感じた
・ 一人でゲームをしたり、音楽を聞いたりするだけではなく、誰かと一緒にやる・創るような場所があると嬉しい
・ オンラインで同世代の子とつながれたり、SNSの中にいる人とつながれて感動したから、こういった場をもっと田舎に住む仲間に知ってほしい

自分自身だけでなく、そこにいる他の学生や自分の身の回りの友人など、自分以外の人にも目を向け、「その人たちにとっても、よりよい居場所とは何か」考えている様子が見受けられました

子どもだけでなく大人にも学びが。これからの一歩を踏み出す日に

最後に、振り返りとしてこれから実践したいこと・自分への約束事を共有しました。

サードプレイスをもっと深堀して考える
いろんなことに挑戦して多様なサードプレイスを見つける
知っている人も知らない人も温かく受け止める
周りの人が自分と関わっているときは少なくとも自分らしさを失わない空間にしたい
気軽に居場所を感じることのできるSNSを創りたい
今の自分の居場所を大切にしながら、誰かの居場所になりたい

学生にとって今回のプログラムが新たな学びとなり、明日から新しい一歩を踏み出せるきっかけとなる1日になりました。

また、TikTok社員からはこんな意見が飛び交いました。

関戸さんも学生も、それぞれが自分のストーリーをもち寄り、お互いに話ができたことが良かった
学生たちが自分たちの意見をもって発言してくれている姿が印象的で、自分も刺激を受けた
自分も関戸さんや学生たちと同じような経験をしていたので、日本中の悩む子どもが有意義な時間を過ごせるサードプレイスをTikTokが創れるように、企画をさらに盛り上げていきたい
今回のイベントをもとにして、TikTokのアプリ内で新たなコンテンツが生まれてくると思うし、今後の取り組みに向けてのヒントが得られた

今回のイベントでは、学生たちがサードプレイスとは何かを学び、ディスカッションするプログラムでしたが、子どもたちが学ぶだけでなく、企業や大人にとっても自社の取り組み、そして自分自身についての発見や気づきのある機会だったように感じます。

カタリバでは、こうした企業のみなさんと一緒に学び合う取り組みを実施しています。高校生を交えたプログラムやワークショップの実施などに興味がある企業の方がいらっしゃいましたら、以下よりご連絡ください。


 

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編集部 編集部

KATARIBAMagazine編集部が担当した記事です。

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