開催
日時
2021
11月21日(日)
13:00-14:30
フリースクールも子ども支援NPOも町にない、
地方と都市の教育資源格差。
自分の育った町には、どんな教育資源がありましたか?
都市部で育った方は、塾、フリースクール、ユースセンターや図書館、博物館、近隣の大学などを思い浮かべるかもしれません。田舎で育った方は、塾やフリースクールなんて近所になかったという方もいるでしょう。
地方と都市の子どもたちの教育資源の格差は、今の日本の課題の1つです。
例えば、東京では、10代の子ども10万人に対して6カ所のフリースクールがありますが、三重県では0.6カ所と、約10分の1(*1)。ギフテッドや2E、不登校の状態にある子どもたちへのオルタナティブな選択肢は、地方ではなかなか見つかりません。
子どもを支援するNPOの数も東京と地方では約3倍の差、20-30代のお兄さんお姉さんなどナナメの関係人口も約1.7倍の差(*2)があります。東京では7割以上が大学へ進学しますが、地方での大学進学率はその半分程度(*3)。大学に行くことはマジョリティではない現実があります。
参考文献
*1:東北大学大学院 本山 敬祐『日本におけるフリースクール・教育支援センター(適応指導教室)の設置運営状況』(2011年)
*2:総務省統計局『国勢調査』(2015年)
*3:文部科学省『学校基本調査』(2016年)
地方の子どもたちの可能性を伸ばせる
そんな場所を、増やすには
大学に行くことが必ずしも必要なわけではありません。
だけれど、子どもたちが何かをやりたいと思ったとき、あるいは子どもたちが何かにつまづいたり苦しさを抱えている時に、手を貸せる大人が少なく、その結果として可能性が閉ざされてしまうことは避けたい。地方で育ったからこその良さや視点を、もっと伸ばして羽ばたいていけるようにしたい。
カタリバでは、そんな風に考えてこの20年活動してきました。現在では、岩手県大槌町、宮城県女川町、福島県双葉郡、島根県雲南市など、いくつかの地方で子どもたちのための拠点を運営。またコロナ禍のもたらした機会として、全国にオンラインのプログラムを提供できるようにもなりました。
雲南市の拠点の子どもと東京の拠点の子どもが交流したり、海外とつないで英語の勉強をしたり、島にいる子がサイエンスワークショップに参加したり…。地方でリアルにはつくることが難しかった機会が、オンラインでつくりやすくなっているとも感じています。
とはいえ、子どもや家庭だけで必要なオンラインの機会を探すことは最初は難しいことです。「オンラインのこれ面白そうだよ」「リアルにまちの人に話を聞いてみよう」と子どもたちを新しい機会とつないでいくユースワーカーが、日本各地に増えてほしい。
そんな未来を夢見て、2021年11月から「ユースセンター起業塾」を始めます。子ども支援に20年取り組んできたカタリバと、社会起業家の支援に25年取り組んできた特定非営利活動法人エティックが連携する、3年間の伴走プログラムです。
地方で10代の居場所づくりに取り組む!ユースセンター起業塾
今回のキックオフイベントでは、カタリバ代表・今村久美と、2015年から島根県雲南市で不登校支援を実施してきた「おんせんキャンパス」スタッフの井上 洋輔、岩手県大槌町で被災地の10代の学習支援を実施してきた「大槌臨学舎」スタッフの小野寺 綾が話します。
実際にユースワーカーとして地方で10代の子どもたちと関わり続けてきたスタッフの話を通して、地方での居場所づくりの意義や、子どもたちの抱える問題、子ども達と関わる魅力について、リアルな声をお届けできたらと思います。
地方での子どもの居場所づくりに興味のある方は、ぜひご参加ください。
■イベント概要
日時: 2021年11月21日(日)13:00-14:30
環境: オンライン開催(web会議システム「zoom」予定)
申込: https://forms.gle/3LeTKLRMV127H6eFA(申込締め切り:11月19日(金)中)
参加方法: お申込みいただいた皆様へ前日迄に参加URLをお送りいたします。
参加対象: 教育・子ども支援・学習支援・居場所づくり等に関心のある学生および社会人
参加費: 無料
■プログラム
13:00 開会挨拶、イントロダクション:「いまなぜ地方での居場所づくりが必要か?都市と地方の子ども格差」
13:10 トークセッション「ローカル×10代の居場所づくり」
14:10 質疑応答
14:20 ユースセンター起業塾のご案内
14:30 終了
■登壇者
今村 久美 | NPOカタリバ代表理事
慶應義塾大学卒。2001年にNPOカタリバを設立し、高校生のためのキャリア学習プログラム「カタリ場」を開始。2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供、2020年には、経済的事情を抱える家庭にPCとWi-Fiを無償貸与し学習支援を行う「キッカケプログラム」を開始するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組む。ハタチ基金代表理事。地域・教育魅力化プラットフォーム理事。文部科学省中央教育審議会委員。経済産業省産業構造審議会臨時委員。
井上 洋輔 | NPOカタリバ おんせんキャンパス
高校を卒業するまで島根県で過ごし、県外のスポーツトレーナーの専門学校へ進学。卒業後は帰郷し、子ども時代を共に過ごした友人たちとの再会と、地元小学校職員として勤務したことから学校生活の楽しさ、自分を理解し受け入れてくれる友人の存在の大切さを子どもたちにも感じてほしいと思い、学校に行きにくい子どもたちと関わる仕事に就いている。現在は、おんせんキャンパスで不登校支援事業に携わり、子どもを取り巻く学校や保護者と一緒に子どもの次の一歩に伴走している。
小野寺 綾 | NPOカタリバ 岩手県立大槌高等学校 魅力化コーディネーター
1991年岩手県奥州市生まれ。教員養成大学在学中に「キャリア教育」の重要性を感じ、新卒でカタリバに入職。カタリバでは、学校に社会を届ける「カタリ場」プログラムや、中高生のための放課後施設の運営に携わり2020年に岩手県大槌町に異動。現在は、岩手県立大槌高校の魅力化コーディネーターとして、地域と協働した探究型学習の運営等を行っている。
【モデレーター】神野 元基 | 合同会社 LINKALL 代表、株式会社 COMPASS ファウンダー
幼少期を北海道網走市で過ごし、慶應義塾大学総合政策学部在学時より起業家として活動。シリコンバレーで起業した際に「シンギュラリティ」に出会ったことがきっかけで、2012年に株式会社 COMPASS を設立し、人工知能教材Qubena(キュビナ)を開発・提供。著書に『人工知能時代を生き抜く子どもの育て方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。2019年より中央教育審議会・臨時委員に就任。2020年合同会社LINK ALL代表就任。2021年11月より学校法人東明館学園 副校長に就任。
■認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 :2001年11月1日
代表 :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町・熊本県益城町)/災害緊急支援(西日本豪雨、令和元年東日本台風、熊本豪雨)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市・島根県益田市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区)
URL : https://www.katariba.or.jp/
■問い合わせ
・イベント内容に関する問い合わせは下記へご連絡ください。
incubation@katariba.net(事業部担当:吉田)
・取材ご依頼に関する問い合せは下記フォームよりご登録ください。
https://www.katariba.or.jp/report/(広報担当:高木)