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活動紹介 / Activity

DISCOVER

小規模校同士をオンラインでつなぎ、新たな学びを生む

学校横断型探究プロジェクト

Concept

2022年度より全国の高等学校で全面実施されている総合的な探究の時間では「生徒一人一人の興味・関心に応じた、個別最適な学び」の実現が求められていますが、生徒の人数とともに教員数も少ない「小規模校」では、指導にあたる教員の数が少ないなど個別最適な学びを実現するためのリソースが不足している現状もあります。

学校横断型探究プロジェクトは、パソコンやタブレットといったICT端末の活用を通じて学校同士が連携し教育資源の共有を行うことで、学校規模にハンデを負う小規模校においても幅広い興味・関心からはじまる生徒の学びを生み出し、主体的な探究活動に伴走する試みです。

Serviceサービス

活動概要

  • 所在地

    東京都中野区中野5丁目15番2号(運営事務局)

  • TEL

    03-5942-9646 

  • WEBサイト

  • 活動期間

    2020年〜

  • 対象

    生徒数や教員数の少ない小規模の高等学校

  • 活動内容

    総合的な探究の時間における「オンライン合同授業」「放課後交流会」「教員向け勉強会」のプログラム開発・運営/専門人材・大学生など外部の教育資源のコーディネート

活動の背景

全国に約700校存在する小規模校。教員リソースが限られるなどの課題も

生徒数と同様に在籍する教員数も少ないことが特徴である「小規模校」。高等学校における小規模校に公的機関が示す明確な定義はありませんが、1校あたりの学級数が9以下の学校を小規模と仮定した場合、全日制の公立高校だけでも日本全国に683校※)存在します。

2022年度より全国の高等学校で全面実施されている総合的な探究の時間では、「生徒一人一人の興味・関心に応じた、個別最適な学び」の実現が求められています。その一方で小規模校では指導にあたる教員の数が少ないなど、「個別最適な学び」を実現するためのリソースが不足している側面もあります。

課題を抱える小規模校同士がオンラインでつながり、探究活動を行う新たなプロジェクト

2020年度からスタートした「学校横断型探究プロジェクト」は、総合的な探究の時間における「個別化」に困難を抱える小規模校同士が連携し、相互支援を実現するモデルを作ろうとしています。

活用するのは、パソコンやタブレットといったICT端末。学校という枠を越えて先生と生徒、生徒同士、教員同士がオンライン上でつながることで、教員や学校外部の専門家や実践者といった教育資源を共有して1校単位でのリソース不足を補い、生徒の主体的な探究活動に伴走する試みです。

※学校基本調査 / 令和2年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》 学校調査・学校通信教育調査(高等学校) 高等学校(通信教育を含む) 全日制・定時制

活動内容

1.複数の小規模校をオンラインでつなぐ合同授業

学校横断型探究プロジェクトでは、年間4回のオンライン合同授業を実施しており、本プロジェクトに参加する各校から該当学年・クラスの全生徒が参加しています。
生徒の探究活動を促進するうえで特にカギとなるのが、「テーマ別ゼミ」です。

学校横断型探究プロジェクトの年間スケジュール(2022年度)

「テーマ別ゼミ」では、生徒の興味関心ごとに学校の枠を越えたテーマ別グループをつくり、各テーマに応じた専門性を持つ教員を配置します。小規模校では教員数が限られるため、生徒の興味関心に応じた専門性を持つ教員が在籍していないケースも少なくありません。学校横断型探究プロジェクトを通じて教員を共有し合い、生徒一人ひとりの興味関心に応じた活動支援を実現することを目指しています。

またプログラムのなかで生徒が関心を持ったテーマ領域について、専門家や実践者などのゲストを招くこともあります。各高校や教員の持つ人脈には限りがありますが、複数の学校が協働することで外部人材という教育資源を共有することができます。生徒が自分自身の興味関心に合うゲストに出会い、探究活動を深めることを目指しています。

地域で活動している方をゲストとして招いた授業の様子

2.生徒の「もっとやりたい!」の気持ちに応える放課後交流会

「オンライン合同授業だけでは物足りない」、「同じテーマに関心を持つ同世代ともっと語り合いたい」といった生徒の気持ちに応えるべく実施しているのが放課後交流会です。探究活動への熱量の高い生徒たちが集まり、活動を進めていく中での悩みの共有をしたり、情報交換を行ったりしています。自分の通う学校には同じテーマに興味を持っている同級生がいないという生徒からは、「関心あるテーマに共感してくれる人たちと、深く話せてよかった」という声も。

また大学に進学した先輩を招き、探究活動の経験や成果をどのように進路とつなげていくかについて考える交流会なども開催。今後も授業と放課後の両方を活用し、興味関心のあるテーマについて生徒たちが語り合える機会を作っていきます。

放課後交流会の様子

3. 「孤独感が薄れた」という声も。教員向け勉強会の開催

「教員向け勉強会」には総合的な探究の時間を担当する各校の教員が集まり、事例共有や外部講師を招いた勉強会などを行っています。小規模校では、総合的な探究の時間を担当する教員が校内に1人しかいないというケースもあることから、参加した教員からは「孤独感が薄れた」「悩みを言える安心感がある」などの声が寄せられており、探究に携わる教員同士のコミュニティとしての役割も果たしています。

教員向け勉強会の様子

活動の成果

多様な出会いによって、探究学習の深まりや意欲の向上が見られている

学校横断型探究プロジェクトに参加した生徒からは、「他校の生徒から、新鮮な意見や課題点をもらうことができた」「探究活動が進んでいる人の凄さを知ることができた」などの声が聞かれており、学校を越えた多様な出会いが新たな気づきや刺激を生んでいる様子です。

また教員からは、「小規模校では人間関係が固定化されやすい側面があるが、他校との関わりの中で、普段はあまり見られない切磋琢磨する生徒の姿を見ることができている」など、本プロジェクトに参加したことによる生徒の意識の変化を喜ぶ声も聞かれています。

2021年度取り組みの効果(各校共通の意識調査より)

生徒の声

■同じ学校内ではどうしても考えや課題が似てしまう傾向があるけれど、他校と意見交流をすることで新鮮な意見や課題点をもらうことができたことが良かったです。

住んでいる地域が異なると同じような探究テーマでも、課題点や考え方が大きく異なることがあり、それを共有することで新たな発見につなげることができる場だったと思います。

■コロナ禍でなかなか他の高校の様子などを知る機会がないので、他の高校生の様子なども分かる貴重な体験となりました。また、推薦入試で大学へ進学するためには、どのくらいのレベルにならないといけないのかなども分かり、探究活動が進んでいる人の凄さも感じました

■話すことが苦手だったけど、他の皆さんと楽しく交流ができました。話すことが楽しいと思えました

連携

学校との連携

2020年度は3校から始まった本プロジェクトですが、3年目となる2022年度は全国から8校、約250名の生徒が参加しています。全日制高校だけでなく、広域通信制高校など、複数の学校種から多様な学校が名を連ねていることも一つの特徴です。

2022年度参加校(※参加生徒数は概数)
・岩手県立大槌高校 (2020年度〜) 参加生徒数:60名
・山形県立小国高校 (2020年度〜) 参加生徒数:20名
・熊本県立小国高校 (2020年度〜) 参加生徒数:40名
・茨城県立小瀬高校 (2021年度〜) 参加生徒数:30名
・第一学院高校横浜キャンパス(2021年度〜) 参加生徒数:30名

・宮崎県立高千穂高校(2021年度〜) 参加生徒数:50名
・栃木県立足利特別支援学校(2022年度〜) 参加生徒数:3名
・島根県立吉賀高校(2022年度〜) 参加生徒数:30名

活動助成団体との連携

学校横断型探究プロジェクトは、一般社団法人三菱みらい育成財団による助成プログラムに採択されて実施しています。

Photo Gallery

    活動の様子を動画で

    学校横断型探究プロジェクトに関するお問い合わせ

    本連携に関心をお持ちの学校関係者向けに、本プロジェクトに関する情報や参加希望校向け説明会のご案内などをメールマガジンにて配信しています。
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    ・公開合同授業のお知らせ
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